”心の病”といえば、うつ病・神経症(ノイローゼ)・PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが主な代表例ですね。
この他にも、
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などがありますね。
そこで今回は、心の病気である「精神障害」と「精神病」についてお伝えします。
精神病と精神障害は違う?
一般的に言われる心の病というと、「精神障害」や「精神病」のことを意味します。
このふたつは同じような意味で使われていることが多いのですが、実は「精神障害」と「精神病」はちょっと違います。
「精神障害」は、精神の異常な偏りを総称する広い意味になります。
それに対して「精神病」は、一般的に精神障害よりも重度であって、幻覚や妄想など症状があるものを意味します。精神障害の中に「精神病」がある、という関係ですね。
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精神病の種類・分類について
精神病に含まれるものを多い順にならべると、
- 統合失調症(精神分裂病)
- 躁うつ病
- 非定型精神病(統合失調症・躁うつ病のどちらともいえないもの)
- 器質性精神病(身体的原因がハッキリしているもの。薬物中毒による精神病など)
となります。
原因は「外因性」と「内因性」の2つに分けることができます。
外因性とは、身体的原因がハッキリと分かっているもので、アルコール中毒や薬物中毒、脳障害になります。
内因性とは、原因不明だけど身体的原因が疑われるもので、統合失調症・躁うつ病・非定型精神病などになります。
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精神病の種類・分類について
「精神障害」は、精神病よりも広い意味となり
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があります。
神経症でいえば、
①原因として、器質的・身体的なものではない。
②心理的・社会的(環境的)な原因によるものと考えられる。
③症状が精神病とはハッキリと区別できる
という位置づけになっています。
つまり、神経症は、ストレスなどの心理的・社会的要因が原因で、本人は現実性や人格を保っていて、自分が病人であることを自覚している、となります。
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心の病気の診断基準は?
実際に、うつ病や神経症などの心の病気を診断・分類する際には、国際的には大きく2つあります。
【DSM(精神障害の診断と統計の手引き)】(アメリカ精神医学会の基準)
【ICD(国際疾病分類)】(WHO=世界保健機関の基準)
このうち、日本で使われている診断基準は、アメリカ精神医学会の診断基準である【DSM】が使われています。
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まとめ
このように、専門的現場においては「精神障害」と「精神病」は少し違う意味で使われています。
そして、心療内科や精神科では、【DSM】(2014年現在は【DSM-5】)という診断基準を使って、うつ病やパニック障害などの診断を行っています。
その診断を参考にして、心理カウンセラーや心理セラピストが、心の病、悩みや問題の解決をサポートしていくことになります。
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◆この記事は、東京工業大学名誉教授、精神科医、医学者である影山任佐先生執筆・監修の「図解雑学 心の病と精神医学(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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