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ヒステリーなの?子どもに暴言・暴力まで・・・その原因、境界性パーソナリティ障害かもしれません。

子育て中のお母さん、子どものやることや言動にイライラが溜まってしまって、ダメだと頭では分かっていてもつい大きな声で怒ってしまったり、子どもに手を挙げて叩いてしまったり・・・。

そして、後になってから
「なんで、あんなひどいこと言ってしまったんだろう」
「あぁ、またやってしまった」
と自己嫌悪に陥ってしまう、という風に感じたことありませんか?

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子育てのストレスが溜まっているから、ヒステリーな性格のせい、とひとりひとり理由があるとは思いますが、もしかしたら境界性パーソナリティ障害が関係しているかもしれません。

具体例をあげてもう少し深くみてみましょう。

出産後にうつ病と診断されたケース

30歳の専業主婦、Eさんの場合を紹介したいと思います。

学生のときに、過食症(摂食障害)で入院治療を受けたことがあるEさん。

その後も、心のバランスを崩してしまうと過食・嘔吐の問題行動を繰り返していました。

結婚してからは、精神的には比較的落ち着いたのですが、ひとり目の子を出産後にうつ病と診断され、それから2年間ほど通院しながら薬を服用しており、現在は、子ども2人と夫の4人暮らしです。

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頭で分かっているけど、身体が動かなくて・・・

最近、Eさんは抑うつ症状が強くなっているように感じています。

何をするにも「面倒くさい」と感じてしまい、すぐに横になり寝転んでしまうことが多く、掃除や洗濯などの家事もなかなか手につかず、家の中が片付きません。

頭では「あれをやらなければ、これもしなくては」と分かっているのですが、気ばかりあせってしまいます。

体がだるかったり、やる気が出なかったり、何もかもが面倒でゴロゴロと寝てばかりの毎日です。

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急にヒステリーを起こして、突然子どもに暴言を吐いてしまう

Eさんが何とか身体を動かし始めても、まだ小さい子どもの行動や言動にすぐにイライラして怒ってしまいます。

「もう、あんたなんて嫌いよ!」と子どもを怒鳴りつけ、怒ってしまうこともしばしば。

ときには、子どもに手を挙げて叩いてしまい、暴力をふるってしまうことも。

そんな時、Eさんは子どものおびえた表情をみてハッと我に帰り、子どもを抱きしめながら「ごめんね」と謝り続けますが、そんなお母さんの行動に子どもは困ってしまいます。

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夫婦関係も悪くなり、夫婦喧嘩が絶えません。子どもへの悪影響も

次第に子どもたちは、お母さんであるEさんの顔色ばかり気にするようになってしまいました。

子どもへの接し方を注意する夫に
「あなたは何も分かっていない!」
「子育てに協力しないくせに!」
とEさんは泣きわめき、すぐに冷静さを失ってしまいます。

夫は「気持ちが不安定なのはわかるけど、子どもを怒鳴りつけるなんて信じられない」、子どもは「パパとママのケンカは僕らが原因なの?」と感じています。

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まとめ

Eさんの困ったところは、怒りなどの感情をを上手くコントロールできない点にあります。

子どもを愛する気持ちはあっても、自分の思い通りにならない現実を目の当たりにすると、イライラしてしまい怒りでいっぱいになり、衝動的な暴言・暴力を止めることができません。

ついつい怒りにまかせて行動してしまった後は、激しい自己嫌悪に陥る、というマイナスのサイクルを繰り返してしまいます。

また、子どもだけでなく仕事関係や友人知人など大人とのつきあいでも言い争いになることがよくあります。

こんな場合、境界性パーソナリティ障害が原因になっているかもしれません。近くの病院などへの受診も考えてみてください。

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◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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