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境界性パーソナリティ障害って病院で治療を受ければ治るの?

ボーダーラインと言われる境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)と診断された人やその家族が持つ疑問で一番多いのは、境界性パーソナリティ障害って病院で治療を受ければ治るの?という点です。

境界性パーソナリティ障害と診断されたわけじゃないけど、インターネットや本で調べて「もしかしたら私も境界性パーソナリティ障害かも?」と感じている人も「治療を受けて薬を飲んだりして、本当に治るのか、治らないのか?」と心配になっている人も多いと思います。

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境界性パーソナリティ障害は治るのか、どんな治療や療法について、詳しくみてみましょう。

境界性パーソナリティ障害は治るの?治らないの?

境界性パーソナリティ障害は病院で治療を受けても治すことができないのでは、と思っている人も多いです。

しかし、実際にはそんなことはなく、境界性パーソナリティ障害の人が病院で治療を受けた場合、大半の人が回復して自立できるようになっています。

ただ注意する点は、病院を受診したから、薬を飲んだから、すぐに良くなる、改善する、といった障害ではありません。

長い目でみて、じっくり時間をかけて少しずつ良くなっている、と思ってください。

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境界性パーソナリティ障害の治療で大切なのは、きっと良くなると希望を持つこと

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)と聞くと、何やら重い障害というイメージを抱くことが多いようです。

考えられる理由として、急に訪れる激しい感情のゆれや妄想のような思い込み、リストカット等の自傷行為など、まわりの家族や友人知人を困らせる症状によるものと思われます。

しかし、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)と診断されても、悲観的になることはありませんので安心してください。

専門家による適切な治療を受けることで、症状は確実に改善していきます。

過去に境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)と診断された人であっても、結婚したり、社会に出て働くようになる人も多いのです。

ただし、短期間の治療ですぐに良くなるものではありません。

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の治療には時間がかかる、ということも覚えておいてください。

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自殺未遂や自傷行為が多いときは、まず治療を受けること

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の人の中で、自殺未遂や自傷行為が多いケースでは、まず専門家による治療を受けましょう。

担当医師との面接や面談、場合によっては必要性の応じて病院に入院して治療することもあります。

自殺願望が強い場合は、治療を受けることが第一歩になります。

ある医師によると、患者さんの治療経過をみる観察から、境界性パーソナリティ障害の治療を続けることさえできれば、高い確率で改善する、と言われています。

生きて治療を受け続けること。それが回復への第一歩なのです。

病院に通院して治療を受け続けるのも、そこから回復していくのも、生きているからできることです。

自殺せず生き続けることが、改善するための絶対条件です。

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リストカット(自傷行為)をする人は、本当に自殺する気があるの?

リストカットや自分の体を傷つける自傷行為は、必ずしも死ぬつもりで行われるわけではありませんが、中には本当に死んでしまう人もいます。

境界性パーソナリティ障害の診断を受けた人の自殺率は6~10%と報告されています。

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の治療では、すぐに良くなったようには感じられなくても、あきらめずに治療をつづけることが大切です。

徐々に時間が経つにつれ、改善していく見込みは高くなっていきます。

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境界性パーソナリティ障害の治療を嫌がる人はいるの?

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の治療の効果はすぐあらわれるものではありません。

病院で診断を受け、治療を受けてみたけど効果を実感できず、逆に苦しさやつらさを感じることもあるため、治療を中断してしまう患者さんも多いそうです。

また、担当医師に対する期待と不信感の間で心が揺れてしまい、かえって苦しくなってしまうことも少なくありません。

生きて治療を受けてさえいれば、治療の経過は決して悪くはありません。実際に症状が改善している人が多くいます。

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境界性パーソナリティ障害の症状は改善するの?

境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)の人が精神科や精神神経科での治療を受けることで、心の状態が安定し、衝動性が抑えられるようになるなど、改善する人がたくさんいます。

また、年齢を重ねることで心身が成熟し、症状が軽くなることもあります。

治療が進めば症状は軽くなり、医師や家族、他人と良い人間関係を結べるようになっていきます。

境界性パーソナリティ障害に人の中にも回復した人もたくさんいます。

治療を受けて仕事について働けるようになった、自傷行為をしなくなった、結婚して子どもを産んだ、という人もいます。

悲観的にならずに、まずは病院、医療機関で受診してみてください。

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◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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