人の気持ちがわからない、話がかみ合わない、アスペルガーの特性
良好な人間関係をつくる上でのコミュニケーションでは、直接言葉にして口に出しにくいことは、遠回しな表現や態度で表すのが普通です。
ところが、アスペルガー症候群の子どもには、そういったあいまいな表現が理解できません。
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表情、ボディランゲージがわからない
人間は言葉だけではなく、表情や身振りなども使って、意思や感情の表現をしています。
笑顔をみせたり、手を振ったりすることに、気持ちをこめてコミュニケーションしています。
ですが、アスペルガーの子は、そうした表現を理解することが苦手です。
表情や口調、言い方などの細かい変化が理解できないため、人の気持ちがわからない、話にならない、と周りから思われてしまいます。
口調・言い方
・口調や言い方から、相手の気持ちを察することができない。
・語り口の柔らかさなど、あいまいな表現がわからない。
・やさしく話しても怖がる。
・怒鳴られても平然としている。
しぐさ・ボディランゲージ
・首を縦に振る、横に振るなどのボディランゲージを理解できない。
・本人も身振り手振りを使わない。
・身振りで伝えたことに気づかず無視する。
・手でダメだと制しても伝わらない。
表情
・目や口などの動きで、喜びや怒りを表していることがわからない。
・表情の変化を読みとれない。
・相手が怒った顔をしても気づかない。
・笑顔に笑顔で応えない。
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話が通じない、と思われがちなアスペルガー症候群
アスペルガー症候群の子どもは、自分が怒られていることが分からない、という場合があります。
【例】
ゲームに夢中で、何度注意しても上の空。
大声で怒ると、きょとんとした顔で、どうしたのかと聞き返したりします。
アスペルガーの子どもは、まわりの人が怒っていることがわからないのです。
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暗黙の了解が分からない
暗黙の了解が分からない、という点もアスペルガー症候群の大きな特徴です。
例えば、家に遊びにきた友達に「そろそろ帰って」と直接的には言いづらいのが普通です。
はっきり告げることはさけ、遠回しな言い方をする人が多いでしょう。
そのとき、発言には言葉以外の意味が含まれ、表情や態度にも、感情がこめられています。
このような社会経験を積んだ子どもは、人の表情や仕草などの様子を見て、相手の気持ちを察することができます。
しかし、アスペルガーの子どもは、そうした暗黙の了解を読みとることがうまくできません。
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はっきりと伝えれば理解できる
アスペルガー症候群の人は、複雑な感情表現を理解することは苦手ですが、反対に言葉の意味を素直に受けとることは得意です。
アズペルガーの子どもには、言葉でハッキリと伝えた方がこちらの気持ちが伝わりやすいのです。
明解な言葉で短く話しながら、その気持ちを表す表情やそぶりをみせて、ボディランゲージも理解できるように支援しましょう。
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わかって欲しいことは具体的な表現で伝える
言い方や口調の変化、ジェスチャーやボディランゲージで遠回しな表現をすると、アスペルガーの人には真意が伝わりにくくなります。
日頃から、直接的、具体的な表現で伝えることを心がけましょう。
必要に応じて絵や文字を使い、人の表情を読みとることを少しずつ教えていくことも大切です。
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身振りで合図しない
言葉を言わずに身振りだけで合図をすることはさける。
話しながら、身振りをみせて理解を促す。
表情の意味を教える
口の端が上がったら笑っている、下がったら怒っているなど、表情の意味を具体的に伝える。
遠回しな言い方をしない
ゲームをやめさせたいときは「ゲームは終わり」と伝える。
「そろそろごはんよ」と表現をぼかすと誤解を招くことにつながる。
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