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記憶するのは得意だが、想像が苦手なアスペルガー症候群の学習

アスペルガー症候群の特性には、長所と短所があります。

その特性が学習能力にも影響し、記憶力が良く、想像力はあまりよくない場合が多くみられます。

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好きなことについての学習能力が突出している

興味の対象を一点にしぼって集中するシグナル・フォーカスの特性が、学習能力に様々な影響を及ぼします。

アスペルガーの子どもは、自分の好きな分野については、学ぶ力も覚える力も強く発揮しますが、理解が全般的にすぐれているわけではありません。

例えば、歴史の暗号は細かく記憶しているのに、出来事の内容は理解していないなど、学習内容に偏りが出やすいといえます。

興味の範囲を広げること

興味のおもむくまま、本人にまかせていると、学習の幅が狭くなりがちです。

アスペルガーの子どもは興味の範囲が狭く、自分の関心のないことは学習しない傾向があります。

好きなことだけでなく、ほかのことにも興味を持てるよう、無理のないサポートをしましょう。

なにもかも学ばせる必要はありませんが、幅をせばめすぎないように注意しましょう。

得意、不得意がはっきりしている

アスペルガー症候群の子どもには、得意なことの傾向があります。

多くの場合、漢字テストや計算、暗記など、答えがはっきりしていることを好みます。

人によって違いはありますが、好きなキャラクターの名前を大人が驚くほど覚えていたり、記憶することは得意だといえます。

学校の勉強は特別すぐれてはいないのに、好きなテレビ番組や鉄道路線などのことは、まわりを驚かすほどの記憶力を発揮することがあります。

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難しい漢字や英語が混ざっていても、難なく覚えます。

【本人の気持ち】
「無理して覚えているわけじゃないよ」

アスペルガーの子どもができること

覚えることや、決まりを守ることが得意。
法則性のある問題や科目では周囲をしのぐ結果を出す。

・難解漢字のテスト
・計算問題
・歴史暗号や地名の暗記
・公式を使う問題
・ルールを守ること

アスペルガーの子どもが苦手なこと

想像力は社会性の発達障害があるため、自由な発想を求められることや、応用問題は得意ではない。

・文章の意味を考える問題
・課題作文
・自由研究
・テーマを応用する問題
・ルールにとらわれない発想

(例)花の名前はたくさん覚えているのに、花が枯れそうなときの対処法は想像できない。

アスペルガーの対処法【新しいことに興味を持たせ、好奇心を育てる】

記憶力が良いのは、アスペルガーの子どもの長所でもあります。

その力を活かしながら、別のことへの興味や関心も育てていければ、より豊かな発達に結びつきます。

子どもの興味を伸ばすきっかけをつくってあげましょう。

本人の興味を活かす

年号を覚えることから歴史に興味をもったら、その興味を伸ばす。
古い時代の調査や、人物研究などをおこなわせる。
地図や資料を使うことで、目的や予定がはっきりすれば、自由研究でも混乱しない。

いろいろな課題を出す

苦手なことも上手に体験させる。
自由研究に具体的手順を示し、美術で具体的な課題を出すなど、子どもがとりつきやすいことをやらせる。

好きなことを否定しない

分野の偏りがあることを受け入れ、その中ですぐれた点をほめる。
子どもに自信がつくと、苦手な分野にも手を出せるようになる。

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