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なぜ冗談が通じないの?アスペルガー症候群(発達障害)

子どもが、5歳、10歳と成長していき、コミュニケーションの幅が広がると、周囲では慣用句や冗談などの誇張表現が増えていきます。

アスペルガー症候群の子どもの場合、成長とともに徐々に会話のすれ違いが多くなっていきます。

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言葉の裏の意味を読みとれない

私たちが人に言葉をかけるとき、必ずしも用件があるとは限りません。

たわいのない冗談を言い合ったり、ほとんど意味のないあいさつをすることもあります。

アスペルガー症候群の子どもは、そういった冗談やあいさつ、慣用句などを大真面目に受け取り、誤解してしまうことがあります。

冗談が通じない、話が通じない、とまわりの人が感じてしまうのど、アスペルガーの人は言葉の裏を想像することが苦手なのです。

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「顔が広い」「足をのばす」などというと混乱する

顔が広いと言ったら、信じたり驚いたり、「顔が広いの?重たくないの?」と聞き返してきたり、慣用句に限らず、冗談やオーバーな表現にも、そのつど真剣に反応します。

言葉の表面的な意味、言われた通りのことしかわからない、というのがアスペルガー本人の気持ちです。

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会話のすれ違いを見逃さないように

アスペルガーの子どもが言葉の裏を想像することはなかなかできませんが、言葉の意味や使い方を教えれば、慣用句や冗談が出てくる会話を理解できる場合もあります。

子どもが言葉に翻弄され、困っていることに気づき、難しい言葉や敬語はもちろん、冗談や挨拶なども、ひとつひとつ丁寧に教えましょう。

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対応できない応用表現/アスペルガー症候群

アスペルガーの人は、言葉の意味や字の意味通りにとらえる傾向があり、慣用句やことわざ、冗談などを言われたときに、相手の意図をくみ取れません。

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ですが、それが冗談だと説明されれば、理解することはできます。

慣用句が理解できない

「手が回らない」「空気を読む」など、文字と別の意味をもつ慣用句に理解できない。
または、それらの表現を不自然に頻繁に使う。

冗談が通じない

「学校まで3秒で行ける」などと冗談を言うと、それを真に受けてしまう。
比喩表現として、誇張して言っていることがわからない。

決まり文句を真に受けてしまう

「がんばって」「気をつけて」など、決まり文句やあいさつのように何気なく使う言葉を、本気に受けとってしまう。

敬語が苦手、上手くつかえない

必要な場面で敬語を使えなかったり、不必要に丁寧な言葉遣いになったりする。

状況、場面に応じて、敬語を使うなど言葉の表現を調整できない。

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アスペルガー症候群の子どもとのコミュニケーション

アスペルガー症候群の子どもが言葉の意味を間違え、おかしなことを言ったとき、親やまわりの人が笑ったり怒ったりすると、子どもにショックを与えてしまうので注意しましょう。

正しい理解ができるよう、丁寧に教えていくことが大切です。

間違いを笑わない

笑われると、ショックを受けてしまったり、反対に調子に乗ったりして、いつまでも直らないので落ち着いて対応する。

笑われたことを喜んで、はしゃいでしまう子もいるが、一緒になって騒がずに、間違いは直す。

言葉の意味を教える

慣用句やことわざは、伝え方によっては少しずつ理解できるようになる。

感情的にならず、やさしく教えること。

裏のある言葉を避ける

大げさな冗談や、本心と異なる言葉はなるべく使わない。
使う場合は、冗談だということを告げる。

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