LD(学習障害)の子供への声かけについて
LD(学習障害)の子供を励ましたり、やる気を出させるための言葉がけでも、本人には逆につらく聞こえてしまう場合も少なくありません。
がんばれと励ますときは注意が必要
・がんばればできるよ
・まだまだこれからでしょ
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【本人の気持ち】
「何をどうやってがんばればいいの?」
LDの子供が直面しているのは、やる気の問題ではありません。
周りの子と比べないこと
・ほかの子はみんなできているよ
・どうしてできないの?
【本人の気持ち】
「自分だってがんばっているのに・・・」
結果を比べるだけでは、LDの子供のつらさは大きくなるだけです。
いつかできるよ、と安易になぐさめない
・大きくなればできるようになるよ
・やっていれば、いつかできるようになるよ
【本人の気持ち】
「いつかって、いつできるようになるの?」
安易ななぐさめや励ましは、子供の不信感をまねくことにもなります。
やる気を失わせないこと
・世の中勉強だけじゃないよ
【本人の気落ち】
「勉強だってできるようになりたいよ」
本人のやる気をそぎ、がんばる気持ちを失わせます。
LD(学習障害)の教育について、どんなことに気をつければいいか
LD(学習障害)の子供の教育について、まず気をつけたいのは、子供のペース、考え方を大切にすることです。
教育の効果は、どこでどのように学ぶかだけでなく、親の理解とサポートによっても大きく変わります、
注意したい思い込み
・特別支援教育は、限られた子供のためだ
・できるだけ通常学級の方がいいに決まっている
・学校に行きさえすればなんとかなる
学校の教育に親がどこまでかかわるべきか、一概には言えません、
教育は学校の仕事だと一切を投げ出してしまったり、逆に家でも勉強ばかりさせるというよいうな極端な対応は、子供にとってもいい結果には結びつかないでしょう。
子供にあった方法を選ぶようにしましょう。
LD(学習障害)では、特別支援教育でも指導が効果を発揮する場合もあります。
2006年度から、LDやADHDの子供たちも指導対象になっています。
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苦手なところや、特別な指導が必要な部分について、自分にあった方法で学べる場が持てるようになっています。
子供のペース、特性に合わせて、こうした仕組みを活用していきましょう。
LD(学習障害)の子供自身は、自分でどう感じているのか、親や周りの大人としては気になりことだと思います。
苦しい気持ちに目を向けてあげましょう
LD(学習障害)の子供の心のトラブル
達成感を感じたり、人からほめられたりする経験が少ないと、自尊心や自信を持ちにくくなります。
・他人との違いに悩む
・自尊心が育ちにくい
・達成感や充実感が考えられない
学習は基礎から応用への積み重ね、反復で定着させるものです。
LDの子供にとっては、適切に指導されないと、学年を上がるごとに学習の困難が積み重なっていきます。
また、大きくなるにつれて、周りの子供との差にも気づいていきます。
LDの子供は、学習面の困難だけでなく、自分を評価できないなど気持ちの困難もかかえやすいのです。
またADHDなどで行動面での困難が障害が加わると、気持ちの問題がみえにくい場合もあります。
不安を隠すために反抗的な態度をとる子供もいます。
子供が持っている不安、疑問に目を向け、子供の気持ちに耳を傾けるのが親や周りの大人の役目でもあります。
教育の場とメリット
通級による指導、地域の特別支援学級との連携によって、LDの子供が利用できる学びの場はたくさんあります。
特別支援学級
通常学級ではサポートしきれない部分を、通級よる指導で補う。
「通級による指導」教室
【学習の指導・補助】
苦手な教科を個別に指導したり、理解の手助けをするほか、ソーシャルスキルなども指導します。
特別支援学校
子供のニーズに適した指導、支援を行います。
子供のペースに合わせて、ともに歩む気持ちを忘れずに。
特別支援教育では、障害の種別によらず個別のニーズにより応えやすくするために、盲、ろう、養護学校などを「特別支援学校」と呼び方を一本化しました。
通常学級
学力がついてきたら通常学級での授業に戻る。
・通常授業
・課外授業
補助教材や、出題の工夫などで、LD(学習障害)の子供の理解を助けます。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授である上野一彦先生執筆・監修の「LD(学習障害)のすべてがわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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