自分のことが分からない?心が不安定なのは境界性人格障害が原因なの?
「自分のことが分からない」「本当の自分が分からない」と感じやすいのも、境界性パーソナリティ障害/境界性人格障害の人にみられる特徴のひとつです。
境界性パーソナリティ障害/境界性人格障害の人の多くは、自分の中に「たしかな自分」がないため、安定した感情を持つことがなかなかできず、情緒不安定になりやすい傾向があります。
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そのため、自分の人生をひとつの流れとしてではなく、その場かぎりの体験の連続としてとらえてしまいます。
過去と現在の自分の間に「つながり」を見いだすことが難しいのです。それが、その場その場の場当たり的な生き方をすることの原因にもなっています。
境界性人格障害の人は、本当の自分が分からない?
境界性人格障害(ボーダーライン人格障害)の人の多くは、「自分のことがよくわからない」「本当の自分がわからない」という悩みを持っています。
人はみんな、これまで生きてきた中で、積み重ねてきた過去の体験や、自分が抱えているいろいろな自分、多面性を統合した全体像を描けるようになってはじめて「自分はこういう人間である」「本当の自分はこう」と感じるようになります。
しかし、境界性人格障害の人は、こうした自分の全体像を描けずにつらい気持ちを感じています。
自分の心の中に「たしかな自分」というよりどころがないため、自分に対するイメージが相手の態度次第で良くなったり悪くなったり、コロコロ変わったり、大きく変化してしまいます。
境界性人格障害(ボーダーライン)の人は「自分は一体何者なのか」分からず不安になってしまうため、運転免許証や障害者手帳などの身分証を持つことで、心理的に安心感を得ようとする例もあります。
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境界性人格障害の人は恋愛も仕事も長続きしない?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人の心の中では、子供時代に母親から冷たい扱いをされたという体験とそこから生じた感情や、母親からほめられたり、かわいがられたりした体験とそこから生じた感情がバラバラに存在していたりします。
ネガティブな体験と感情、ポジティブな体験と感情が、心の中でバラバラになっているのです。こういった背景も「自分のことがよくわからない」と感じる要因になっているといえます。
学校や会社での人間関係がうまくいかなくなったり、恋人(彼氏or彼女)との別れ話が生じたりすると「相手から見捨てられる」という不安感情が強くなりやすいのも、境界性人格障害(ボーダーライン)の特徴です。
自分の過去の体験の中から、今目の前の危機的な状況に重なる部分だけを引き出して考えるため、まわりの人からみると、境界性人格障害の人はコロコロと考え方や言っている内容が変わるように感じられます。
境界性人格障害の人は、「自分はこういう人間である」という自分像が安定しないため、人生の目標や価値観、考え方もすぐに変わってしまいがちです。
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ささいなことがきっかけで、自分の考え方や目標がコロコロ変わるため、恋愛が長続きしなかったり、職を転々と変え転職したり、と仕事が長続きしないことも少なくありません。
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良い自分と悪い自分の間で激しく揺れ動く
境界性人格障害の人は、「良い自分」と「悪い自分」が自分の中できっぱり分かれていて、どちらかが前面に出るともう一方の自分は意識されにくくなっています。
例えば、良い自分像とは、
・自分は良い人間で誰からも愛されている
・なんでもできるし、なにをやってもうまくいく
・自分はとても恵まれている、幸せだ
という感じです。
逆に、悪い自分像とは、
・どうせ自分は、人に見捨てられてしまうような悪い人間だ
・何もかもうまくいかないし、悪いところばかり
・自分はなんて小さい人間なんだ
という感じになります。
この2つの自分、良い自分と悪い自分の間を極端に揺れ動く点も、境界性人格障害の代表的な特徴のひとつです。
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境界性人格障害は不安定な精神状態になりやすい?
精神的に健康な人は、良い自分と悪い自分の両方が同時に意識されているものですが、境界性人格障害の人は自分像が統一されていません。
良い自分像が前面に出ているときは、自分はとても魅力的で図場らしい存在だと感じているのですが、反対に悪い自分像が前面に出ているときは、容姿など自分のすべてがみにくくてたまらないと感じてしまいます。
人間関係においても、対人関係が良好な場面では、まわりの人は自分を愛してくれる良い人と思えるのですが、いざ対人関係が悪化すると、まわりの人は自分を見捨てる悪い人と感じる、いったように極端な考え方を持つ傾向があります。
このようなことを原因として、境界性人格障害だと不安定な精神状態になりやすいのです。
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