境界性パーソナリティ障害は女性が多い?男女の比率・割合はどれくらい?
ボーダーラインや境界性人格障害とも呼ばれている「境界性パーソナリティ障害(BPD)」ですが、いったいどれくらいの人数なのでしょうか?
境界性パーソナリティ障害は女性が多いの?それとも男性?
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男女の比率・割合はどれくらいなのでしょうか?
詳しくみてみましょう。
境界性パーソナリティ障害(BPD)になりやすいのは女性?男性?
「境界性パーソナリティ障害は、女性が男性の2倍いる」とよく言われていますが、アメリカの統計によると、境界性パーソナリティ障害の患者の約80%が女性である、と報告されています。
80%が女性、残りの20%が男性、女性の人数は男性の4倍程度の人数比率となっています。
また、境界性パーソナリティ障害の人数は、全人口の1~2%くらいと言われ、近年、境界性パーソナリティ障害の患者数が増えてきています。
実際に精神科に訪れる人の約5%が境界性パーソナリティ障害と診断され、精神科の入院患者の約20%を占めるとのデータもあります。
また、境界性パーソナリティ障害の特徴のひとつに、気分障害(感情障害)や物質関連障害などを合併することも多くみられます。
日本においてはまだ境界性パーソナリティ障害の調査報告は少ないのですが、病院やメディケアの現場をみてみても、やはり男性より女性が圧倒的に多いのは確かなようです。
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なぜ、境界性パーソナリティ障害は女性の方が男性より多いのか?何が原因なの?
アメリカでは境界性パーソナリティ障害の研究や調査が盛んに行われています。
その研究によると、境界性パーソナリティ障害と診断される人数が女性の方が多い原因のひとつとして、女性ホルモンの影響が考えられています。
女性ホルモンと気持ちの変動によって怒りやすくなること、が原因と考えられています。
また、男性の場合は、境界性パーソナリティ障害と似ている、反社会性、自己愛性などのパーソナリティ障害と診断されやすい、という指摘もあります。
年をとると症状が安定していくことが多いのも、境界性パーソナリティ障害の特徴
境界性パーソナリティ障害としての問題が明らかになるのは、子どもから大人へ心も身体も大きく成長する思春期が一般的です。
激しい感情の揺れや衝動的な問題行動の多さに、本人もまわりの人も将来を悲観することが多くみられます。
ですが、年を重ね年齢が高くなっていくのにつれて、心の状態は落ち着いていく傾向にあります。
10年単位で境界性パーソナリティ障害の経過をみていくと、診断基準を満たさなくなる人が半分以上になると言われています。
◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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