すぐ暴れる?暴力やDVも多い境界性人格障害(ボーダーライン症候群)
境界性人格障害の主な特徴のひとつに「すぐに怒る」「殴る、蹴るなどの暴力行為」があります。
境界性人格障害の人は、自分の思い通りにならないとすぐに暴力をふるう?
ささいな出来事にも過剰なまでに敏感に反応し、激しい怒ってしまい、心が乱れて感情にふりまわされてしまうのは、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の特徴のひとつです。
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この「怒り」の表れ方・表現の仕方は、汚い言葉や暴言だけにとどまらず、時には「殴る、蹴る」という暴力となって現れることもあります。
境界性人格障害(ボーダーライン)は、DV=家庭内暴力が起こりやすい?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の暴力的行為の対象は、親や恋人、あるいは子どもなど、本人にとってごく身近な人に向けられやすいものです。
その中でも、とりわけ攻撃の対象になることが多いのは「母親」です。
境界性人格障害の(ボーダーライン症候群)人にとって、身近な存在であればあるほど、怒りや暴力の対象になりやすいのです。
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境界性人格障害が原因で虐待、子どもが被害にあうことも。原因は何?
母親が境界性パーソナリティ障害(ボーダーライン症候群)をかかえている場合、児童虐待が起こることがあります。
子どもが言うことを聞かなかったりぐずったりすると、子どもに対する怒りの気持ちをコントロールできず暴力をふるってしまうのです。
その原因として考えられるのは、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の特徴のひとつ「自分と他人をうまく分けられていない」という点があります。
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自分のことがよく分からない?
一般的には、親子や夫婦、恋人など、どんなに近しい関係であっても、それぞれ別の人間、存在です。
しかし、自分という存在が不確かなままだと、自分と相手を分けて考えることが困難です。
境界性パーソナリティ障害(ボーダーライン症候群)の人はまさにこの状態にあります。
自分と不可分な存在の人に、違う考え方や感じ方があるという認識が薄いため、怒りにまかせて暴力をふるってしまいます。
そして、そのDV=暴力行為にあまり後悔しないという事態が起きやすいのです。
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赤の他人より身近な人の方が危険?
境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の人からみて、自分とは少し距離のある赤の他人に対しては、がまん強く接することができます。
それは、ときに過剰なまでの気遣いをみせることすらあるくらいです。
しかし、自分との関係が密接な人に対しては、遠慮することなく怒りをぶつけ、激しく攻撃します。
そして、心や身体を傷つけてしまったことに対しての後悔や反省のそぶりはあまりみられません。
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境界性人格障害の人には、思い通りにしたい欲求がある
境界性人格障害の本人には、身近な人なら自分の考えを理解して行動するのは当然、という思いがあります。
そのため、少しでも自分の思い通りにならないと、自分が裏切られたと感じ、暴力・暴言へと結びつくのです。
例)
頼んだものと違う雑誌を買ってきた
メールの返信が遅かった
↓
相手が自分の思い通りにならない
↓
相手と自分は違う存在であると思い知らされる
↓
相手と自分との相違が不安でたまらない
↓
いらだち、混乱から暴力に発展する
境界性人格障害の人と親しい間柄であればあるほど、自分の思い通りに動いてくれないことへのイライラは募りやすくなります。
そして、その中でも母親に対しては強い依存心を抱いていることが多く、裏切られたという思いが強くなってしまい、DV=家庭内暴力の対象が母親になるケースが多いのです。
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◆この記事は、精神科医、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授である牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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