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境界性人格障害と自己愛性人格障害の違いと共通点について

パーソナリティ障害(人格障害)の中でも、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)は共通点が多い特徴があります。

そのため、境界性人格障害か自己愛性人格障害か、2つの違いを明確に区別するのが難しいケースも多く、正確な診断が難しいと言われています。

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今回は、境界性人格障害と自己愛性人格障害の違いと共通点についてまとめてみたいと思います。

境界性人格障害と診断されるケースが多い自己愛性人格障害

自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)は、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)と似ている特徴が多い傾向がみられます。

似ている特徴の例は、自己中心的、人間関係のトラブルが多い、などがあげられます。

そのため、実際の診断では、自己愛性人格障害ではなく「境界性人格障害」と診断される人の方が多いようです。

自己愛性人格障害は、しばらくの期間や時間をかけて情報収集や診察をおこなわないと、専門家や医師でも正確な診断が難しいと言われています。

自己愛性人格障害と境界性人格障害の違いと共通点

[自己愛性と境界性の共通点]
・自己中心的
・わがまま
・対人関係のトラブルが多い
・反社会的な傾向がみられる

自己愛性人格障害にみられる特徴と症状

・自分は特別だと思う
・共感性に欠ける
・思いやりがない
・自信過剰
・傲慢
・自分勝手
・孤立しやすい
・傷つきやすい
・挫折や失敗に弱い

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境界性人格障害にみられる特徴と症状

・見捨てられることへの強い不安
・依存的傾向
・まわりの人を巻き込む
・情緒不安定
・激しく怒る
・自傷行為やリストカットなどの行為も
・社会適応しにくい

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虐待にもつながるパーソナリティ障害

子供の虐待数は年々増加しているようです。

子供を虐待する親には、何らかのパーソナリティ障害がみられる例が多いと考えられています。

その中で自己愛性人格障害の診断基準に当てはまる人も一定数以上いるといわれています。

子供を虐待する親は、自己中心的で自己愛が強い傾向があり、その反面では自分への評価が低く劣等感が強い場合が多く見られます。

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愛情や満足が足りないという想いが強く、精神的にもまだまだ未熟で情緒不安定な傾向があります。

また、虐待する親のほとんどは、自分自身が子供の頃に虐待された経験があるようです。

子育ての中で自分の思い通りにならないと、自分の子供の頃の親との関係が原因のひとつとなって、暴力的な行為を子供に向けてしまうのです。

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境界性人格障害の診断基準

参考として、境界性人格障害障害(境界性パーソナリティ障害)の診断基準は次の通りです。

対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人期早期までに始まり、種々の状況で明らかになる、以下のうち5つ、またはそれ以上が存在すると認められることによって診断される。

(1)現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと)

(2)理想化とこきおろしの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式

(3)同一性障害:著明で持続的な不安定な自己像または自己感

(4)自己を傷つける可能性のある衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、むちゃ食い)(注:5.の自殺行為または自傷行為は含めないこと)

(5)自殺未遂、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し

(6)顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2~3時間持続し、2~3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い不快気分、いらだたしさ、または不安)

(7)慢性的な空虚感
(8)不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いのけんかを繰り返す)

(9)一過性のストレスに関連性した妄想様観念または重篤な解離性症状

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