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【合併症】チックと強迫性障害を併発していることがある

やめようと思っても、何度も同じ行為をせずにはいられない病気を強迫性障害といいます。

強迫性障害は、チックの中のトゥレット症候群の3〜4割にみられる合併症です。

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強迫性障害とは

強迫症状により大きな苦痛を感じたり、日常生活に支障をきたしたりしている状態は強迫性障害と診断されます。

強迫症状には、強迫観念と強迫行為があります。

【強迫行為の例】
手の皮膚がすりむけて痛くても、手洗いをやめられない。

強迫観念とは

強迫観念とは、何度もくり返し思い浮かび、不安や苦痛を引き起こす考え。
「もう、考えたくない」「ばかばかしい考えだ」と思っても、頭から離れず、不安が高まっていく。
強迫観念があって強迫行為をしてしまう。

強迫行為とは

強迫行為とは、不安や苦痛をやわらげるために行わずにいられない過剰な行動。
やめたい、やりたくないと思っても、同じ行動をくり返さずにはいられない。

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幼児や青少年、子どもの強迫行為の例

●過度な儀式的な手洗い、シャワー、入浴、歯磨き、身震い・・・85%
●反復する儀式(ドアから出たり入ったりする、イスから立ったり座ったりするなど)・・・51%
確認(ドア、カギ、コンロ、電気器具、車のブレーキなど)・・・46%
●汚れとの接触を取り除こうとする儀式・・・23%
●さわること・・・20%
●数えること・・・18%
●配列、整頓・・・17%
●自分や他人を傷つけるのを避けるための処置・・・16%
●貯蔵、収集の儀式・・・11%
●家財道具や生命のないものを掃除する儀式・・・6%
●種々の儀式(たとえば、書く、動く、話す)・・・26%

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チックをともなう強迫症状

人や物を傷つけてしまうのではないかという攻撃的な強迫観念や、何度も確認したり、さわったり、たたいたりせずにはいられないといった強迫行為が多くみられます。

●つらくてもやめられない
↓↓
●いけないと思うほどやってしまう。

【例】
高価な物などに、さわってはいけないと思うほど、さわらずにはいられない。

【特徴】
・確認行為が多い。
・発症年齢が比較的低い。

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チックと強迫性障害の合併症

強迫性障害は、思春期の子どもに発症することが多い病気です。

トゥレット症候群のような重症のチックのある子は、10歳を過ぎた頃から、強迫性障害との合併が問題になることが多く、その発症率は30〜40%といわれています。

チックをともなわない強迫性障害に比べると、発症年齢は少し低く、強迫症状の内容にも少し違いがあります。

不安や恐怖からやむにやまれず行動をくり返してしまうというより「やめよう」と思えば思うほど、やらずにはいられない衝動が高まり、行動をくり返している子どもが多いようです。

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