12 天つ風〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】
12 天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ 【僧正遍昭】
読み方(あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ)
出展「古今和歌集」
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意味「12 天つ風〜」
空を吹く風よ、天女が通る雲の道を閉ざしておくれ。素晴らしい舞を舞い終わった天女たちを、もう少し地上にとどめておきたいから。
作者:僧正遍昭とは?
僧正遍昭(そうじょうへんじょう)は平安時代初期の歌人で、六歌仙、三十六歌仙のひとりです。
俗名は、良岑宗貞(よしみねのむねさだ)といい、桓武天皇の孫、素性法師(作者:21 今来むと)の父親にあたります。
出家後も、光孝天皇(作者:15 君がため)と親しかったといわれています。
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この歌は出家する前に詠んだ歌といわれています。
解説「12 天つ風〜」
この歌は、稲の収穫を祝う祭りの翌日の、豊明節会(とよのあかりのせちえ)という宴で舞う乙女たち(五節の舞姫)についての歌です。
目の前で舞う五節の舞姫に天女のイメージを重ね、乙女たちの舞がとても素晴らしく、天女のような彼女たちがすぐに天に帰れないように雲の道(雲の通ひ路)を風で散らしてほしい、と天に願っているのです。
つまり、舞姫の素晴らしさを褒めている歌になります。
「天(あま)」から始まる歌は三字決まり
上の句が「天(あま)」から始まる歌は、「7 天の原〜」と「12 天つ風〜」がありますね。
「天(あま)」の次の三字目まで聞かないとどちらの歌か判断できない、三字決まりの歌です。
7 あまのはら ー みかさのやまに
12 あまつかぜ ー をとめのすがた
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