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ADHDと間違いやすい障害・病気とは?

ADHDは、自閉症やLDなどを合併していることがよくあります。

その場合、診断は非常に難しく、経過をみていくことが重要になります。

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ADHDと共通点が多く、似ている発達障害について詳しくみてみましょう。

自閉症、アスペルガーと似ているADHD

ADHDの中には、自閉症と同じような症状を示す場合があります。

特に3歳までに多く、まわりの刺激に反応してよく動きまわり、人には注意を払わないので、自閉症と間違われてしまいます。

また、小さいうちにはハッキリとADHDと診断できたのに、4〜6歳頃になるとその症状が消え、自閉症の症状があらわれてくる例もあります。

その他、広汎性発達障害では、言葉に遅れがないアスペルガー症候群、虐待など不適切な生育環境が原因で起こる多動も、ADHDの症状と似ていて区別が紛らわしい場合があります。

ADHDと似ている発達障害、自閉症・LD

ADHDと共通点が多く、間違われやすい発達障害には、自閉症とLDがあります。

それらの症状はADHDと似ているところや同じものもあり、区別するのは専門家でも簡単ではありません。

【AD/HD】

多動性、衝動性、不注意が目立つ障害。

【LD(学習障害)】

文字の読み書きや会話、計算などの力が、年齢相応に発達しない障害。
ADHDと合併することが多い。
LDのみの場合でも、ADHDと診断されることがある。

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【自閉症(広汎性発達障害)】

呼びかけに応じない、こだわりともつなどの症状が出る障害。
コミュニケーションができないことや言葉の遅れ、一人遊びの多さなどから、ADHDと誤解されることが多い。

どのようにして鑑別診断するか?

ADHDと、その他の紛らわしい障害とを鑑別診断するためには、障害の本質を見ることが重要です。

たとえば、多動という症状がみられるのは、ADHDだけではありません。

小学校に入るころによくみられる年齢相応の多動は、次第に落ち着いてきます。

また、自閉症や精神遅滞などがある場合にも、多動はみられます

多動という症状だけでとらえるのではなく、その子の全体像をとらえることが大事です。

どんなことが原因となって多動が起こっているのか、見極めることがポイントになります。

他の障害のある可能性も考えながらみていきます。

また、症状は年齢とともに変化するので、診断後も経過をみてくことが大切です。

発達障害の診断の流れ

ADHDやLD、自閉症などの発達障害を診断するときには、心理面や知能面の検査を多く行います。

発達障害は一度の診察で完全な診断をすることは難しい性質があり、子どもを見守っていくことが大切です。

それらの検査結果から、子どもの精神状態を把握して、適切な対処法を導き出していきます。

【①相談・問診】

生活していて、どんなことが問題になっているか、話し合う。

【②心理検査】

WISC-Ⅲ、K-ABCなどの心理検査を行い、考え方の傾向を調べる。

【③知能検査】

田中ビネー検査などをおこない、知能の発達の度合いを調べる。

【④学力検査】

通常の学力テストで検査したり、ITPA検査で言語能力を確かめる。

【⑤経過チェック】

問診と検査によって診断された結果と、その後の子どもの行動に大きな違いがないかどうか、チェックする。

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