3つのポイントで診断、ADHDの診断基準[DSM-Ⅳ-TR]
日本では、ADHDかどうかを診断するときには、国際的な診断基準を用いています。
ADHDの診断基準には、アメリカ精神医学会のDSM-Ⅳや、世界保健機関(WHO)のICD-10がありますが、内容的には大きな違いはありません。
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診断名は、DSM-Ⅳでは「注意欠陥/多動性障害」、ICD-10では「多動性障害」という診断名が使われます。
※DSM-Ⅳの診断基準を一番最後に載せておきます。
これらの診断基準はあくまでもひとつの目安にすぎず、ADHDの診断は、子どもの行動や認知機能、性格、医学的な検査など、総合的におこなわれます。
3タイプにわかれるADHDの診断
ADHDとひとことでいっても、人によって、その症状はさまざまです。
衝動性が特に強い人、不注意が目立つ人など、個々の特徴に応じた対処が必要になります。
そのためDSM-Ⅳでは、症状をもとにADHDを3つのタイプにわけて診断します。
不注意優勢型は目立った問題が起きず、気づかれない場合も多いのが特徴です。
また、子どもは常に成長しているため、一度診断結果が出た後に、タイプが変わることもああります。
【混合型】
A(1)にもA(2)にもあてはまる場合。
すべての症状に対応する必要がある。
【不注意優勢型】
A(1)のみあてはまる場合。
忘れ物などは多いが、多動が目立たず、気づきにくいタイプ。
【多動性-衝動性優勢型】
A(2)のみあてはまる場合。
多動傾向があるが、注意力に関するトラブルが少ないタイプ。
ADHDは他の発達障害との違いがはっきりしないのも特徴
ADHDの症状は様々で、主に3つのタイプに分けられますが、典型的な例ばかりではありません。
なかには、自閉症など他の障害と区別するのが難しい場合もあります。
診断名は、治療のための情報のひとつと考えましょう。
AD/HDの診断基準
診断基準にはさまざまなものがありますが、アメリカのDSM-ⅣとWHO(世界保健機関)のICD-10です。
ここでは、DSM-Ⅳを紹介します。
次のA〜Eすべてに(Aは1か2どちらかでも)当てはまる場合は、AD/HDと診断されます。
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■AD/HD[注意欠陥/多動性障害]の診断基準(DSM-Ⅳ)
A(1)
以下の不注意の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上続いたことがあり、その低尾は不適応的で、発達の水準に相応しないもの。
●不注意
(a)学業、仕事、またはその他の活動において、しばしば綿密に注意することができない、または不注意な過ちをおかす。
(b)課題または遊びの活動で注意を持続することがしばしば困難である。
(c)直接話しかけられたときにしばしば聞いていないように見える。
(d)しばしば指示に従えず、学業、用事、または環境での義務をやり遂げることができない。
(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である。
(f)(学業や宿題のような)精神的努力の持続を要する課題に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。
(g)(例えばおもちゃ、学校の宿題、鉛筆、本、道具など)課題や活動に必要なものをしばしばなくす。
(h)しばしば外からの刺激によって用意に注意をそらされる。
(i)しばしば毎日の活動を忘れてしまう。
A(2)
以下の多動性-衝動性の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6ヶ月以上持続したことがあり、その程度は不適応的で、発達水準に相応しない。
●多動性
(a)しばしば手足をそわそわと動かし、またはいすの上でもじもじする。
(b)しばしば教室や、その他、座っていることを要求される状況で席を離れる。
(c)しばしば、不適切な状況で、余計に走り回ったり高い所へ登ったりする。
(d)しばしば静かに遊んだり余暇活動につくことができない。
(e)しばしば”じっとしていない”または、まるで”エンジンで動かされるように”行動する。
(f)しばしばしゃべりすぎる。
●衝動性
(g)しばしば質問が終わる前に出し抜けに答え始めてしまう。
(h)しばしば順番を待つことが困難である。
(i)しばしば他人を妨害し、邪魔する(例えば会話やゲームに干渉する)
B
多動性-衝動性または不注意の症状のいうつかが7歳以前に存在し、障害を引き起こしている。
C
これらの症状による障害が2つ以上の状況において(例えば学校[または仕事]と家庭)存在する。
D
社会的、学業的または職業的機能において臨床的に著しい障害が存在するという明確な証拠が存在しなければならない。
E
その症状は広汎性発達障害、精神分裂病(現在は統合失調症に病名変更)、または、その他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例えば気分障害、不安障害、解離性障害、または人格障害)ではうまく説明されない。
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