注意の仕方と叱り方について | LD(学習障害)の子ども
子どもはとても正直です。
LD(学習障害)の子どもは、思っていること、気持ちが行動になって表れます。
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それらの問題行動を改善させるには、子どもの気持ちを理解することが欠かせません。
「なぜそう行動するか」ではダメ
周りから見れば問題行動であっても、やみくもな行為とはかぎりません。
問題行動を繰り返す子どもに、行動だけをやめさせようとしても、子どもがなぜそうするのかにも目を向けない限り、ほとんどうまくいきません。
授業がわからず、つまらないために立ったり歩き回るのなら、授業をわからせる指導が必要ですし、我慢ができなくて順番をやぶる子どもは、順番を守らせるのではなく、我慢させる指導が必要です。
また、友達とのケンカが絶えない子どもは、コミュニケーションが苦手な可能性があります。
その場合、本人だけでなく、周囲がその子どもとの接し方をかえることで改善します。
問題行動をおこす子どもの気持ちに目を向ける
問題行動だけに注目せず、その子どもの気持ちの変化に目を向けて、悪循環を断ち切りましょう。
【きっかけ】
子どもに問題行動を起こすもととなる気持ちがあります。
・勉強がわからない
・つまらない
・待ちきれない
↓
【問題行動】
自分の気持ちを満足させるために、行動をおこします。
・大声を出したり、歩き回る
・隣の子にちょっかいを出す
↓
【結果】
望んでいた結果が得られます。
その結果がさらに気持ちをエスカレートさせる恐れもあります。
・授業が中断される
・みんなに注目される
・周囲が騒がしくなる
↓
【悪循環へ】
パターン化したり、エスカレートする。
自分の望む結果を得るために行動したり、その行動がひどくなったりする悪循環に陥ります。
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LD(学習障害)の子どもの注意の仕方・叱り方
LD(学習障害)の子どもの問題行動を注意したり、叱ったりするときには、「なぜ、そうしてはいけないか」を一緒に伝えることが大切です。
問題のある子ども=わからずや、と決めつけるのはよくありません。
また、ただ注意するのではなく、どうすればいいかを教え、正しい行動ができたらほめることが大切です。
①やめさせるときは具体的に注意する
LD(学習障害)の子どもは、認知のクセがあるために「こんな場合どうするべきか」を学習できていない場合があります。
それぞれの状況に応じて適切な行動を子どもに教えましょう。
【×】そんなことをしてはダメでしょ!
【○】みんな順番を守っているでしょ。あなたもやってごらん。
②行動する前に止める
子どもが問題行動を起こす前に制止すると、行動する前に子どもが自分自身でブレーキをかける習慣がつきます。
【○】順番を守ろうね!
③やめられたらすぐにほめる
良い行動パターンを定着させるために、すぐにほめましょう。
特に他人の気を引くためにわざと問題行動をする子どもでは、行動を注意するよりも、ほめる方が効果があります。
【○】順番が守れたね!
理由をきちんと聞く
問題行動のきっかけとなる子どもの気持ちに周囲が耳を傾け、受け止めるだけでも問題行動が減ることがあります。
逆に、子どもの嫌な気持ちが理解できないと、なかなか改善できません。
まずは、なぜそうしたのか、子どもの気持ちを聞きましょう。
子どもが自分で言えないなら、考えられる理由を周囲から言ってみるのもいいでしょう。
周囲が子どもの気持ちを聞き、受け入れると、子どもは行動でなく言葉で訴えようと努力するようになります。
◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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