仮面うつ病とは?症状について、倦怠感、睡眠障害、不定愁訴
一見してうつ病とは診断しにくいことから「仮面うつ病」と呼ばれている症状があります。
うつ病は身体全身の病気でもあり、身体に痛みやダルさなどの異常が現れる場合もあります。
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うつ病で見られうる典型的な症状や身体の変化は次のようなものがあります。
うつ病の症状は全身に現れる可能性があり、あらわれる強さに個人差がある点が特徴的です。
なかには、心の症状はあまり強くあらわれないのに、身体の症状が続く人もいます。
このような症状を「仮面うつ病」といいます。
仮面うつ病の主な症状
①睡眠障害
うつ病による体調の変化として、代表的なものに不眠があり、ひとことで不眠と言っても様々なパターンがあります。
ある調査によると、精神科のクリニック訪れてうつ病と診断された人の9割は、最初に不眠の症状を訴えています。
うつ病のときにあらわれる睡眠障害は次のような症状です。
【入眠障害】
ふとんに入ってもなかなか眠れない
【中途覚醒】
寝ている途中で何度も目が覚める
【熟眠感の欠如】
寝た感じがしない
【早朝覚醒】
予定していた起床時刻より2時間程度早く目が覚めてしまう
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②意欲低下
人間が本能として持っている食欲、性欲といったものが低下していきます。
食欲がなくなり、何を食べてもまるで砂をかむように感じて、美味しいと思えなくなることがあります。
そうなると体重は急速に減っていきますが、反対に食欲が増進して体重が増える人もいます。
③倦怠感、易疲労感
全身にだるさを感じて、疲れやすくなります。
特に忙しくなくても疲れやすく、身体が重く感じられます。
眠っても疲れが残っている感じが抜けません.
着替えや入浴などの日常生活の動作もこなせなくなり、身支度が乱れてきます。
④不定愁訴
頭痛、腰痛、腹痛、下痢、便秘、胃のむかつき、めまい、しびれ、動悸、ほてり、異常な発汗、微熱、肩こり、月経不順など、様々な身体の症状がみられます。
これらは自律神経という身体の調子を整える役割を担う神経の働きがアンバランスになるために起こる症状です。
身体の方に異常があった場合は、まずは内科、整形外科などの専門医に診察してもらうことが大切ですが、検査をしても原因がはっきりしなくて症状が続く場合は、うつ病による症状の可能性があり、うつ病の専門医による治療が必要になります。
◆この記事は、精神科医/北里大学大学院産業精神保健学教室、衛藤理砂先生執筆・監修の「〈医師〉〈看護師〉〈患者・家族〉による うつ病の本 (岩波書店)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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