なぜか人間関係がうまくいかない・・・いい方法はあるの?境界性人格障害の対処方法
有名なパーソナリティ障害のひとつ「境界性人格障害」の場合、対人関係、人間関係においてトラブルや問題が多く、仕事場や学校など大勢の人がいる場所で、良好な人間関係を築くことがなかなかできません。
境界性人格障害の人は症状の特徴もあって、ついカッとなって怒ってしまうことが多く、心を許せる友人や仲間が少なく、孤独に悩まされることも少なくありません。
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自分の気持ちを上手に伝えることから
境界性人格障害の人が人間関係で悩みや問題を抱えやすいのは、自分の気持ちをうまく伝えられないことが主な原因です。
言いたいことを分かってもらえない、という思いが、つい怒りなどの感情や激しい行動にあらわれてしまうのです。
いい人間関係、スムーズなコミュニケーションをとれるように練習し、人間関係の改善を図ることは、自分自身の心の状態を落ち着かせる有効な手段となります。
人間関係の幅を広げ、人との接し方を少しずつ学んでいく
医師をはじめとする様々な人と関わりあうなかで、自分の気持ちをうまく表現すると同時に、相手の想いを受け止める練習から始めることがいいかもしれません。
境界性人格障害という病気の治療を進める中おいて、患者本人は医師だけでなく、多くの人と関わっていくことになります。
それぞれの人との関わりが、コミュニケーションスキルを磨く練習になります。
うまくコミュニケーションをとれるようになれば、人間関係のトラブルは自然と減っていきます。
自分の思い、気持ちを上手に伝える練習をしていくことが大切です。
治療を受けてもすぐに自己表現はうまくならない
よく言われているのは、境界性人格障害はコミュニケーションが下手、ということです。
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境界性人格障害の患者は自分の思いをうまく表現できず、相手に真意が伝わらず、すれ違うことが多いです。
そうした人間関係でのすれ違いやトラブルに挫折せずに治療を続けることが大切です。
アメリカなど海外で注目されている、境界性人格障害の新しい治療法とは?
人間関係の訓練のひとつに、行動療法があります。
行動療法とは、問題行動そのものにフォーカスを当てて、その問題行動を良い行動へと変化させていこうというアプローチをとります。
境界性人格障害の治療において、行動療法では良好な人間関係を築くためのスキルを身につけようというものです。
患者本人の考え方や行動を変えていく治療法といえます。
しかし、ただ「変えよう」という気持ちだけでは、なかなかうまくいきません。
そこで、アメリカでは、まず現状を受け入れ、それから変化を促すことをはかる「弁証法的行動療法」が生まれ、境界性人格障害の治療に用いられるようになっています。
アメリカではこの「弁証法的行動療法」の治療効果が認められていますが、日本では指導者が少なく、確立した治療法とまではなっていません。
【診断】
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【治療】
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【人間関係の改善】
・医療スタッフとの関係
患者と医師との二者関係だけでなく、治療に関わる多くのスタッフと接していくなかで、適切な自己表現を学んでいく。
・家族との関係
家族療法などを通して、互いに自分の思いを言葉で表現したり、相手の想いを理解したりできるようにしていく。
・一般人との関係
デイケアなどを利用して、治療チームではない、身内でもない、他の一般の人との人間関係をうまくすすめる練習をする。
自分の欲求や不安な気持ちにおどらされるのではなく、それを表現する方法を練習していく・
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【社会復帰】
◆この記事は、元国立肥前療養所医長、元福岡大学医学部教授、元東京慈恵会医科大学教授、元東京女子大学教授、牛島定信先生執筆・監修の「境界性パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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