自閉症スペクトラムの診断基準と特徴について
自閉症スペクトラムという発達障害が少しずつ知られるようになってきてます。
自閉症スペクトラムとは、自閉症、高機能自閉症、アスペルガー症候群を厳密に区別して考えるのではなく、線引きが難しいこれらの発達障害を「自閉症スペクトラム」という大きな枠組みでとらえるものになります。
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自閉症スペクトラムの特徴について
自閉症スペクトラムでは、診断基準においても次の3つが特徴的です。
・社会性の障害
・コミュニケーションの障害
・想像力の障害
これらの3つの障害の特徴について、それぞれもう少し詳しくみてみたいと思います。
①社会性の障害について
自閉症スペクトラムの特徴のひとつが「社会性の障害」です。
良好な人間関係を築くためには、相手の考えや気持ちを読み取る、自分の言動がどう伝わるか察する、などが大切になり、こうした対人関係において大切になる能力を「社会性」といいます。
一般的には、学校などでの集団生活を通して、人との付き合い方、暗黙のルールなどを学び、社会性を身につけていきます。
ですが、自閉症スペクトラムの子どもは、相手の気持ちが分からないことが多く、社会性を見いつけることが困難です。
いつも「自分の思い通りにする」という傾向もあり、まわりの人から「自分勝手」「自己中心的」と批判的に思われてしまうことも少なくありません。
社会性の障害とは
・目上の人でもタメ口でなれなれしく話す
・敬語がうまく使えない
・家族や友達にていねいすぎる言葉遣いをする
・相手の気持ちが分からない
・空気が読めない
・マナーや暗黙のルールが理解できない
・マイペースな行動が多い
②コミュニケーションの障害について
自閉症スペクトラムの子どもは、話がかみ合わないコミュニケーションの障害も特徴的です。
言葉の発達に遅れがない自閉症スペクトラムの場合、人一倍おしゃべりだったり、子供には不釣り合いな難しい言葉を使ったりすることもあります。
ですが、相手と会話をして意思疎通するというコミュニケーションとしての言葉の使い方が理解できず、相手の話を聞かずに一方的に話してしまいがちです。
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普通であれば、人と会話をするときは、相手の表情や態度、口調で感情があらわれるものですが、自閉症スペクトラムの場合、表情などから感情を察することが苦手です。
そのため、相手が迷惑そうな態度をしていても、一方的に話し続けることも少なくありません。
「太ってるね」など、相手を不快な気持ちにさせることでも平気に口にしてしまうのは、相手の気持ちを考えることができなかったり、暗黙のルールがわからないことが原因であり、本人に悪気があるわけではありません。
また、自閉症スペクトラムの場合、言葉をその意味どおりに受けとる傾向がみられ、冗談やお世辞、社交辞令、遠回しな表現が伝わりにくく、日常会話でも支障が出やすくなります。
コミュニケーションの障害とは
・言葉の意味どおりに受け取ってしまう
・冗談やお世辞が通じない
・一方的に自分が話したいことを話し続ける
・相手の表情や口調、身振り手振りが理解できない
・無表情で抑揚のない口調で話す
③想像力の障害について
自閉症スペクトラムにみられる3つ目の特徴は「想像力の障害」です。
想像力の障害とは、決まったパターンにこだわる行動にみられます。
一度決めたやり方に強くこだわったり、スケジュールや予定を変更するとパニック状態になってしまうこともあります。
自閉症スペクトラムの子どもは、いつもと違う状況になると何をどうすればいいのか想像することが苦手で、予測外の状況に柔軟に対処することができません。
自閉症スペクトラムのこだわりの強さはいろいろな面であらわれ、物事の手順ややり方にこだわるだけでなく、興味のあることに熱中する、驚くほど集中する、という特徴としてもあらわれることがあります。
いったん興味を持つと、反復的な行動を繰り返し、専門家なみの知識を身につけたりする例もあります。
その反面、興味がないことにはまったく取り組まず、一般常識な知識やマナーが身に付いていないこともあります。
想像力の障害とは
・こだわりが強い、という特徴としてみられる
・予定、スケジュールの変更があるとパニックになる
・物事の手順ややり方、置く場所などに強くこだわる
・興味があることには熱中して取り組むことができるが、興味がないことには目もくれない
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