ニコチン依存症(タバコ依存症)の症状とメカニズム・離脱症状とは
健康のためにタバコをやめたいと思っているのに、なかなかやめられない。
そんなニコチン依存症(たばこ依存症)の人は、日本に約1800万人の割合でいるといわれています。
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ニコチン依存症(たばこ依存症)は、依存症の中でも最も人数割合の多い依存症です。
なぜ、ニコチン依存症(たばこ依存症)になってしまうのか、メカニズムと症状についてみてみましょう。
【ニコチンの作用】興奮と鎮静
たばこに含まれるニコチンは、たばこを吸って10秒以内に脳に達します。
ニコチンは、脳幹網様体と大脳辺縁系に働き、ニコチン量が少ないと興奮効果、ニコチン量が多いと鎮静効果という、まったく反対の効果を起こします。
ゆったりと喫煙すると頭にアイデアが浮かび、イライラしている状況でスパスパ吸えば気分を落ち着かせるなど、ニコチン量の調整で状況に合わせた快感をもたらすのです。
条件反射で快感を思い出す
喫煙によって快感を得る生活を続けていると、喫煙につながる行動や環境、ライターや灰皿などの道具などと快感が結びつき、条件反射を作り出してしまいます。
たとえば、禁煙を続けていても、灰皿をふと見ただけで喫煙したくなってしまうのです。
たばこをやめたいと思っても、条件反射のためになかなかやめることができません。
ニコチン依存症の原因とメカニズム
子どもは階段を上るように発達段階を経て成長していきます。
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フロイトは、人間には根本的エネルギーであるリビドーがあり、リビドーに関係する身体の部位によって発達段階を区分けしました。
フロイトによると、0〜1歳までは口唇期とされ、母親の乳首を吸うことで得られる口唇の快感が、生きるエネルギーの元になります。
大人になって、不安や空虚感を感じるとく口寂しくなるのも、口唇期に快感を得ていないことと関係があるのではと考えられます。
つまり、子どもの頃、実際には栄養をとっていても、母親の乳首を十分に吸えなかったという「欲求不満」を持つ人が、たばこを口にくわえ、指シャブリのように慰めている、という説があります。
ニコチン依存症(たばこ依存症)の進み方
【脳】ニコチン依存
【心】プロセス依存
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【脳内にドーパミン増加】
ニコチンが脳の服側被蓋野にあるドーパミン細胞体に達し、快楽物質であるドーパミンを放出させる。
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たばこをやめると離脱症状が現れる
【主な離脱症状】ニコチン依存症
・たばこを吸いたくてたまらない
・ささいなことで怒ったりイライラする
・不安感や緊張感が強くなる
・集中力や判断力がなくなる
・ソワソワと落ち着きがなくなる
・脈拍がゆっくりになる
・食欲が増す
ニコチン依存症(たばこ依存症)の例
たばこがやめられない、22歳の男性会社員のケース。
まだ会社に入社したばかりで慣れない仕事と、上司に気をつかう毎日で、ストレスがたまっています。
学生のときには1日数本だったたばこの本数も、いつしか1日1箱以上吸うように。
やめたいと思っても、なかなかやめられません。
入社後の厳しい研修を受け、「この先やっていけるだろうか」と不安を抱いている。
たばこをやめようと何度か試してみたが、イライラして仕事にならず断念。
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