適応障害とは?環境の変化についていけない病気、原因は?
適応障害という病名は耳にすることはあっても、具体的にどんな病気かわからないという人は多いでしょう。
適応障害とは精神疾患のひとつで、ストレスが原因で発症する、環境の変化についていけない「心の病気」です。
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自分の置かれている周囲の環境の変化に馴染めず、心身に様々な症状があらわれます。
そのため、普通の日常生活にも支障がでてきます。
抑うつや不安感などの精神症状や、普段とは違う行動をすることも多くあります。
病気と健康の境目にある状態が適応障害
適応障害は、就職や進学、結婚や離婚など、環境の変化によるストレスに適応できずに生じる病気です。
そのため、会社や学校、家庭や近隣など、通常の社会生活に支障が出てきます。
環境の変化にうまく適応できなくても、日常生活はなんとか過ごすことができる人は多くいます。
しかし、本人が環境の変化を苦痛に感じていて、健康な生活ができないのなら、適応障害の病気に該当してきます。
適応障害は、いわば病気と健康のちょうど境目にある状態です。
現時点において、適応障害になる確率は、ほとんど調査されていないのが実状ですが、アメリカの精神科クリニックでは、外来患者の5〜20%の割合で適応障害がいるという報告もあります。
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適応障害の原因は心因によるもの
適応障害は、日常的な出来事がストレスになって発症する心因性の病気(精神疾患)です。
ひと昔前に言われていた「心因反応」という病名に近い病気と言え、「まわりの環境の変化に馴染めない病気」のことです。
心の病気の原因のタイプ
適応障害やうつ病など、精神病/精神疾患を発症する原因は、大きく3つに分けられます。
それは、①心因、②内因、③外因、の3つの要因です。
①心因とは
ストレスや悩み、不安、恐怖など、心の状態や環境的な原因によって発症するもの。
本人の性格なども大きく関わっている。
②内因とは
生まれつきの体質、気質など、本人の内側に原因があって発症するもの。
遺伝の影響など、まだ解明されていない部分も多い。
③外因とは
事故や病気などで脳に影響が及び、心の病気として症状があらわれるもの。
アルコールや薬物が原因となるものも含む。
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適応障害はストレスが原因
適応障害の主な原因はストレスと考えられます。
適応障害の発症に際し、ほとんどのケースで病気のきっかけとなった明らかなストレスがあります。
誰にでも起こりうる環境の変化が、人によっては非常に大きな精神的ストレスになることがあるのです。
適応障害の人のつらい気持ち例
・焦り
・不安
・悲しい
・抑うつ
・投げやり
・元気がない
・気分が落ち込み
・何かを考えるのも嫌になる
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適応障害のときの主な症状とは
・現実に適応できない
・学校に行けない
・仕事が手につかない
・やる気が起きない
適応障害になると、本人は「環境の変化に早く慣れなくてはいけない」と焦りますが、やる気が起きず、不安や抑うつ感情が強くなってきます。
そんな自分が情けなくて悲哀感を訴える人もいます。
適応障害の原因となるストレスは、日常的に続いているストレスではなく、進学や就職、被災、死別など環境の変化についていけない、というときに感じるストレスです。
適応障害の患者は、場合によっては、逃避的になったり、犯罪的な行動を起こすこと症状としてあらわれることもあります。
新社会人として働きに始めたが、仕事に馴染めない、ミスマッチだったと後悔することも、ストレス原因の一例です。
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◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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