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適応障害が重症、重度になると、うつ病や不安障害になるの?

「適応障害」という診断書を受け取った本人や会社の人事課などの担当者は、病気の実態がよく分からないので悩むことも多いようです。

適応障害は、他の病気の診断基準を満たすほどではないときにつけられる病名となっている一面もあります。

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うつ病やパーソナリティ障害のように特定の精神疾患というほどではないが、心の病気で社会生活に支障をきたしているものを、適応障害といいます。

適応障害の症状である抑うつや不安などの症状が強くなり重症になると、それらの症状を持つ他の精神疾患に進行することもあります。

そういう点では、適応障害は、うつ病や不安障害などそれぞれの精神疾患の「不全型」「予備群」ともいえます。

適応障害も重症・重度になると、うつ病や不安障害など別の病気になる

職場の人間関係で悩んでいる、仕事が自分に合っていない、学校で友達とケンカした、など日常的なストレスは誰にでもあるものです。

適応障害は、日常の中で解決できないストレスに押しつぶされたり、環境の変化についていけないときになりやすい心の病気です。

自分でも最近何かおかしいと感じたり、不眠などの身体の症状もでてくることもあります。

また、適応障害は、気力の低下、抑うつ、不安感、などが大きくなり、日常生活に支障が出てくることが多いです。

しかし、この段階までに受診すれば、次のような病気に進むのを止められる可能性が高くなります。

うつ病と適応障害の違い

抑うつの強さ、持続期間がうつ病ほどではない(2週間も続いていない)。

自分でも現状はいわば「プチうつ」のようなものだと思う。

PTSDと適応障害の違い

ストレスがあったといっても、命を脅かすような重大な出来事ではなかった。

不安障害と適応障害の違い

不安感はあるが、恐怖感をもつほどではない。

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また、強迫性障害やパニック障害というほどではない。

パーソナリティ障害と適応障害の違い

境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害とも違う。

周囲に誇示するようなリストカットなどの自傷行為をすることもほとんどない。

適応障害の診断の背景・特徴について

ほかのどの精神疾患の診断基準にもあてはまらないときに、適応障害と診断されることも少なくありません。

・他の病気が悪化したものではない
・他の病気の診断基準を満たしていない。
・他の病気とはいえない。

他の病気でなければ、適応障害と診断

医師の事情としても、

・頭痛や不眠を訴える
・検査したが異常が見つからない
・診断基準を満たす精神疾患がない
・気持ちの落ち込みなどで、実際に欠勤や欠席が続いている
・診断書を作成しなくてはならない

「適応障害」「うつ状態」と診断したりする。

長期欠勤で会社に提出する診断書を作成しなければならないときに、医師は「うつ病とはいえないなぁ」病名をどうするか悩むこともあります。

そのように、うつ病ではないが、抑うつで仕事ができなかった人の診断書には、適応障害と書いてあるケースが少なくありません。

【まとめ】うつ病、不安障害ほど重症ではない適応障害

適応障害では抑うつや不安などの精神症状があらわれます。

ただ、抑うつはうつ病ほどではなく、不安感も不安障害というほどではありません。

ほかの精神疾患についても同様で、そのようなとき、適応障害と診断されます、

適応障害は症状が軽くて、比較的早く治ることが多いのですが、油断は禁物です。

適応障害を放置していると重症化してしまい、うつ病や不安障害などに発展してしまう危険性もあるので、早めに病院へ受診するようにしましょう。

◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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