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抗不安薬と抗うつ薬の種類と副作用について | 適応障害の薬物治療

適応障害など不安や抑うつが強くてつらい場合、主に抗不安薬や抗うつ薬をつかい治療していきます。

薬にはそれぞれメリットとデメリットがあり、患者さんの状態にあわせて処方されます。

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ただ、ある人に効いた薬が、同じ症状がある別の人にも効くとは限りません。

薬の効果を確認しながら、薬を変えていくことは多くあります。

抗不安薬、抗うつ薬の種類と副作用についてもう少し詳しくみてみましょう。

抗不安薬の種類・例

抗不安薬は適用が広く、多くの種類があります。

抗不安薬は、不安を訴えるほとんどの患者さんに使用できます。

・メイラックス(ロフラゼプ酸エチル)
・セルシン(ジアゼパム)
・メレックス(メキサゾラム)
・セレナール(オキサゾラム)
・レスミット(メダゼパム)
・レスタス(フルトプラゼパム)
・デパス(エチゾラム)
・ワイパックス(ロラゼパム)
・リーゼ(クロチアゼパム)
・ソラナックス(アルプラゾラム)

ベンゾジアゼピン系が多く、抗不安薬の中でも、特に抗不安作用が強い。

ペンゾジアゼピン系は20種類以上あり、筋弛緩作用がある薬は肩こりにも使用され、催眠作用がある薬は睡眠薬としてもつかう。

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睡眠薬の種類・例

睡眠薬のほとんどが、ベンゾジアゼピン系の薬です(ラメルテオンは除く)。

アルコールとの併用は危険ですので、絶対にしないように注意しましょう。

・ハルシオン(トリアゾラム)
・レンドルミン(ブロチゾラム)
・エバミール(ロルメタゼパム)
・ロヒプノール、マイスリー(ゾルピデム)
・アモバン(ゾピクロン)
・リスミー(リルマザホン)
・デパス(エチゾラム)
・サイレース(フルニトラゼパム)
・ドラール(クアゼパム)
・ロゼレム(ラメルテオン)

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→不眠(睡眠障害)はうつ病の代表的な症状

睡眠薬の依存性の問題は?

睡眠薬は「クセになる」と心配する人は多いです。

しかし、それはかつてのバルビツール酸系の睡眠薬のことです。

現在のベンゾジアゼピン系の薬は、だんだん量を増やさないと効果がなくる、といったことはほとんどありません。

急に薬を飲まないようになっても、今まで以上に強い不安や不眠を感じることも少ないようです。

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抗うつ薬の種類・例

抗うつ薬は、抑うつを改善するだけでなく不安感も軽減するので、うつ病のほかにもパニック障害などの不安障害にもつかいます。

三環系、四環系に代わり、現在はSSRIが主流で、SNRIやNaSSAは新しい薬です。

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

・デプロメール、ルボックス(フルボキサミン)
・パキシル(パロキセチン)
・ジェイゾロフト(セルトラリン)
・レクサプロ(エスシタロプラム)

SSRIの特徴は、三環系より副作用が少なく、長期間服用できる点です。

ただ、胃腸障害、吐き気、眠気、めまいなどが飲み始めにあらわれます。薬の効果はゆっくりなので、最初は副作用だけということになります。

重要な副作用にアクティベーション症候群があります。元気を出す効果が強く出て、イライラ、興奮、衝動性が高まるので要注意です。

SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

・トレドミン(ミルナシプラン)
・サインバルタ(デュロキセチン)

三環系

・イミドール、トフラニール(イミプラミン)
・アナフラニール(クロミプラミン)
・アモキサン(アモキサピン)

四環系

・ルジオミール(マプロチリン)

NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬)

・リフレックス(ミルタザピン)

その他の抗うつ薬

・スルピルド、ドグマチール(スルピルド)
・レスリン(トラゾドン)

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→抗うつ薬の種類と副作用の症状について

抗不安薬、抗うつ薬の副作用について

抗不安薬での主な副作用は、眠気、倦怠感、注意力低下などです。

ですので、抗不安薬を服用中は車などの運転はできません。

薬を突然やめると、吐き気、耳鳴り、けいれんなどの離脱症状が現れることもあります。

抗うつ薬は、効果が出るまで時間がかかり、副作用だけがすぐにあらわれる薬が多いのが特徴です。

【SNRIの副作用】
頭痛、吐き気、めまい、排尿困難、高血圧など

【三環系・四環系の副作用】
口が渇く、手のふるえ、吐き気、頭痛、便秘、尿が出にくくなるなど。
緑内障、前立腺肥大がある人は、必ず医師に申し出ること。

【NaSSAの副作用】
眠気、倦怠感、便秘など。
パーキンソン病の薬セレギリンとは併用不可。

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◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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