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統合失調症の症状「妄想」と「幻聴」について

統合失調症の症状の中でも有名なのが「妄想」と「幻聴」です。

周囲の人にとっては、
・何を言っているのか意味不明
・頭がおかしくなったんじゃないだろうか
・気が変になってしまったんじゃないだろうか
・精神が壊れているのでは?
といったように感じることが多い症状といえます。

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話が通じない、わけが分からない、コミュニケーションができない、ということから、何かの精神疾患、精神病になったんじゃないだろうか、と家族や友人知人が感じやすい特徴です。

今回は統合失調症の特徴といえる2つの症状「妄想」と「幻聴」についてみてみましょう。

統合失調症の症状「妄想」について

統合失調症の初期段階の症状でよく見られるのが「妄想」です。

統合失調症の「妄想」症状は、本人にとっての取り払うことが困難な強い思い込みともいえます。

「神様から命令を受けている」「誰かに監視されている」といった、現実にはありえないような考えにとらわれ、まわりがいくら違うと言っても、本人はその考えから離れることができません。

自分と外界との関連付けから妄想が生じることが多く、その内容は、本人の社会的・文化的な背景に大きく影響されています。

自分の身に「何かただならぬこと」が起きていると考えて、それに巻き込まれてしまっているように感じられることもあります。

本人は、不安・緊迫・抑うつといった気分をかかえ、不安定な精神状態が続きます。

統合失調症の妄想の種類について

統合失調症の妄想の内容には、次のような種類があります。

被害妄想

襲われる感じがする、誰かが自分のことを誰かが自分のことをつけ狙っていると感じる。

嫉妬妄想

自分のパートナーが不貞をしているなど病的な嫉妬を感じる。

恋愛妄想

面識のない有名人などから自分が愛されていると信じる。

誇大妄想

自分の能力を実際以上に感じ、何でもできる日なのに思い込む。

妄想性人物誤認

身近な人がそっくりの替え玉と入れ替わってしまったと思う。

統合失調症の症状「幻聴」とは?

統合失調症の陽性症状として代表的なもうひとつの症状が「幻聴」です。

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統合失調症の人にとっては、自分の考えていることが話し声として聞こえてきたり悪口や命令が聞こえてくることもあります。

聞こえないはずの声が聞こえてくる、といった「幻聴」にはいくつかのパターンがみられます。

統合失調症の「幻聴」のパターンについて

幻聴の1つめは、相手が自分に話しかけてくるパターンで、周囲の人たちが自分の悪口を言っていると訴えたり、自分を非難するように話かけてくることが多いようです。

「死んでしまえ」「飛び降りろ」といった命令幻聴もあり、自分や他者を傷つける問題の一因になってしまうこともあります。

もう一つの幻聴のパターンは、自分のことを第三者が噂し合っているように聞こえるパターンです。

「本当に嫌な奴だな」「あっちへいってしまえ」といった具合に聞こえてきます。

また、自分の考えていることが声になって聞こえてくることもあります。これを「考想化声(こうそうかせい)」といいます。

さらに、「今、手を洗っているぞ」など、自分の行動を実況するような声が聞こえることもあります。

統合失調症の幻聴のタイプについて

統合失調症の幻聴の中で、最も多く見られるのが「幻聴」は、実際には聞こえないはずの声が聞こえてくるのが特徴です。

相手が自分に話かけてくる幻聴 悪口を言ってきたり、命令してきたりする。
「お前は馬鹿だ」「飛び降りろ」など
自分のことを噂している声が聞こえてくる幻聴 自分のことを噂している声が聞こえてくる幻聴
「本当に嫌な奴だな」「あっちへ行ってしまえ」
考想化声(こうそうかせい) 自分の考えていることが、声になって聞こえてくる。
その声が他人にも聞こえていると感じる。
実況する幻声 自分の行動を実況解説する声が聞こえてくる。
「今、手を洗っているぞ」「変な服を着ている」

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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