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統合失調症に効果的なのは?薬物療法、心理教育、心理社会的治療、認知行動療法

「もしかしたら、統合失調症かもしれない・・・」

と、統合失調症の可能性が疑われたら、早いうちに治療を開始しましょう。

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早期発見、早期治療によって統合失調症の症状改善は可能になってきます。

統合失調症の治療には、薬を用いた薬物療法と、薬を使わない非薬物療法があります。

薬物療法と薬を使わない心理社会的治療

統合失調症の薬を使わない治療の非薬物療法は「心理社会的治療」とも呼ばれています。

薬を使う薬物療法は、妄想や幻覚、抑うつなど、日常生活に支障をきたす恐れのある症状を軽減する目的で抗精神病薬を使用することが一般的です。

また、不眠などの睡眠障害や不安感など、統合失調症に付随する症状に対しても薬が使われることがあります。

様々な種類の薬の中から本人にあったものが処方されるので、医師の指示通りに正しく服用することが大切です。

一方の薬を使わない治療の心理社会的治療には、心理教育、認知行動療法、社会生活技能訓練(SST)、職業リハビリテーションなどがあります。

身体のリハビリテーションと同様に、できるだけ早期からの開始が望まれます。

統合失調症の治療は、薬と心理社会的治療とが密接にかかわり合いながら治療効果をあげていきます。

統合失調症の治療の種類

薬を使う薬物療法

・妄想、幻覚、抑うつなどの日常生活に支障をきたす恐れのある症状を軽減するために服用する
・睡眠障害や不安感など、統合失調症に付随する症状に対して用いられる
・治療薬による「副作用」を抑えるために服用する

薬を使わない非薬物療法=心理社会的治療

・心理教育
・認知行動療法
・社会生活技能訓練(SST)
・認知機能リハビリテーション

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統合失調症の治療で大切な包括的治療・包括的地域支援

以前の日本では、精神疾患で長期間入院することは珍しいことではありませんでした。

それは、病状が落ち着いて退院できるようになったとしても、社会の受け入れ体勢が十分にできていなかったからです。

近年、精神病での入院日数は3ヶ月程度が標準となっていて、退院後には包括的な地域のケアの必要性が認識されるようになってきています。

統合失調症の治療は病院だけで行われるものではなく、家族を含めた「心理教育」や行政の関わる「就労支援」といったものも含まれる、という考え方です。

具体的には、学校保健や家庭医による病気の早期発見・早期治療、医師・看護師・保健師・精神保健福祉士・カウンセラー・心理療法家など他職種からなる治療チームによる治療、心理社会的治療、継続的なアセスメント、訪問サービス、患者さんの家族への心理教育などが必要と考えられています。

統合失調症の包括的治療・包括的地域支援とは

・病院だけでなく地域や行政も含めた支援体制をとる
・治療は病院だけで行われるものではなく、家族への心理教育や、行政の関わる就労支援なども包括的に含まれる、という考え方。

包括的支援の治療方針

サービスモデル

・早期発見、早期支援
・多職種チームモデル
・継続的なアセスメント
・訪問サービス(アウトリーチ)
・双方向性の心理教育

治療プログラム

・非定型抗精神病薬を使った治療
・家庭や集団内でのストレスマネジメント
・認知行動療法
・就労支援

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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