あがり症は自律神経、交感神経の働きが原因【社会不安障害】

不安や恐怖の感情は、人間が危険から身を守るために必要な生物として防御本能です。

危険や恐怖を感じたときに、私たちの身体が反応するのは自律神経(交感神経・副交感神経)の働きによるものです。そのため、社会不安障害(あがり症)で感じてしまう強い不安や恐怖の原因も自律神経の働きが関係しているといえます。

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そこで今回は、自律神経(交感神経・副交感神経)の働きと作用についてポイントをまとめてみたいと思います。

自律神経の働きが恐怖や不安を生む?

社会不安障害(極度のあがり症)では、非常に強い不安感や恐怖感を抱く傾向があります。

身体に危険な状況に遭遇したとき、不安や恐怖を感じることは人間にとって当たり前の反応であり、それらの感情は心だけでなく身体にも影響を及ぼします。

例えば、動悸が激しくなる、汗が出てくる、手足が震えるなどの身体症状がみられますが、これらは自律神経の働きによる影響です。

生命に及ぶ危険を回避するためには、「戦う」「逃げる」といった行動を起こす必要があり、その際に身体にスイッチを入れるために、脳から自律神経に指令が出されるのです。

不安や恐怖によっておこる身体症状

・口が渇く
・手がふるえる
・お腹がゴロゴロする
・顔が青ざめるor赤くなる
・頭の中が真っ白になる
・めまいがする
・胸がドキドキする
・手のひらに汗をかく
・足がすくむ

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自律神経の働きが身体症状を生む

自律神経とは、人間が意識しなくても機能する神経のことで、主に生命維持活動を担っています。

例えば、暑いときに汗をかく、寒いと体が震える、心臓や肺など内臓が動く、というのも自律神経の働きによるものです。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2つがあり、交感神経は興奮状態、副交感神経はリラックス状態と関係していると考えると分かりやすいです。

身の危険を察知したときに脳から指令を受けるのは「交感神経」です。脳の扁桃体から危険信号を受け、交感神経の働きが優位になります。

生き物が戦ったり逃げたりする態勢をつくるはたらきがあることから、交感神経は「闘争の神経」「逃走の神経」と呼ばれることもあります。

交感神経と副交感神経の作用について

交感神経と副交感神経のそれぞれが優位になると、次のような作用が身体にあらわれます。

交感神経が優位のとき

・目→瞳孔が広がる
・心拍数→動悸が早くなる
・呼吸→浅くなる
・血圧→上がる
・血管→収縮する
・唾液→ねばねばする
・胃→消化活動が抑制される
・皮膚→汗が出る、毛が逆立つ

副交感神経が優位のとき

・目→瞳孔が縮む
・心拍数→動悸が遅くなる
・呼吸→深くなる
・血圧→下がる
・血管→広がる
・唾液→さらさらする
・胃→消化活動が活発になる
・皮膚→変化なし

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