93 世の中は〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】
93 世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも 【鎌倉右大臣】
読み方(よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも)
出展「新勅撰和歌集」
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意味「93 世の中は〜」
世の中はいつまでも変わらないものであってほしい。波打際を漁師の小舟が綱でひかれていく風景の、なんとしみじみとしていることよ。
作者:鎌倉右大臣とは?
鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)とは、鎌倉幕府の第三代将軍:源実朝(みなもとのさねとも)のことです。
鎌倉幕府の初代将軍:源頼朝の次男で、京都の文化にあこがれたそうです。百人一首の第97番歌:藤原定家から歌を学びました。
源実朝は、28歳の若さで兄の子供に鎌倉八幡宮で暗殺されて亡くなりました。
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解説「93 世の中は〜」
この歌の背景には、詠み手の源実朝の人生を知ると、歌の深みが増してきますね。
鎌倉幕府の第三代将軍:源実朝は、次の将軍の座をめぐる権力争いがあり、実の兄の子供に暗殺されてしまいます。実朝も心のどこかで「自分はもう長く生きられないのだろう」と予感していたのかもしれませんね。
だからこそ、この歌にあるように、「世の中は永遠であってほしい」と願ったのでしょう。
「常にもがもな」は「永遠に変わらなければいいなぁ」という意味です。
「綱手(つなで)」は、「舟のへさきにつないで陸から引く綱」のことです。
「かなしも」は、「いとおしいことだ」という意味です。
「よのなか」から始まる歌は二首ある
百人一首の中で、上の句「よのなか」から始まる歌は、この歌を含めて二首あります。注意して覚えるようにしましょう。
83 よのなかよ ー やまのおくにも
93 よのなかは ー あまのをぶねの
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