[心理学用語]フォーミュレーションの意味と効果は?
患者さんの認知、感動、行動に関する情報を集めて、治療理論に基づく式に当てはめ、推理して答えを出すことを、心理学用語で「フォーミュレーション」といいます。
フォーミュレーションの意味と効果
フォーミュレーションは「定式化」とも呼ばれます。簡単な言葉でいうなら「見立て」が近いイメージですね。
スポンサーリンク
認知行動治療には、病気ごとに検証された理論的な式[方法・やり方]があります。
それらの式を活用して、問題をより正確に分析することがフォーミュレーション[定式化]です。
数学で公式が分かると問題がスラスラ解けるように、認知行動治療[認知行動療法]で自分の考え方の定式が分かると、問題や悩みの原因・背景が分かり、スムーズに解消できるようになっていきます。
ひとつの悩みが解消できれば、他の同様の悩みや問題にも同じ定式が応用でき、病気の治療が進みます。
ケースフォーミュレーションとは?
ケースフォーミュレーション[case formulartion]とは、事例を定式化するという意味です。
医師など治療者が、診察やカウンセリングを通して患者さんの個々の情報を聞き取り、その内容を病気ごとの式と照らし合わせ分析することです。いわゆる「見立て」ですね。
患者さんと治療者は、まるで名探偵とパートナーのようになり、問題に関する情報を丁寧に集めます。
ケースフォーミュレーションの流れ[例]
・対話などを通じて、患者さんの問題について、大小様々な情報集まる。
↓↓↓
・情報を整理して、病気ごとの式と照らし合わせ、「この認知とこの行動が関連しているのでは」などと仮説を立てる。
↓↓↓
・対話や対策によって、仮説を検証する。式が正しければ、その式でほかの問題を解決することもできる。
▼関連記事
スポンサーリンク
自分自身の考えや思い込みを理解する
フォーミュレーションが完了すると、患者さんは自分の考えの式[モデル・型]を具体的に理解できるようになります。
問題の全体像を理解して、その答え[具体的な対策]を考えるために、フォーミュレーションをするのです。
フォーミュレーションによってできた「型」は迷路の地図のようなものです。
悩みの迷路から抜け出す指針となります。
▼関連記事
ABC理論で考える
アメリカの心理学者アルバート・エリスが、認知をABCの流れで整理する「ABC理論」を提唱しました。
出来事の認知の仕方によって、結果は変わることを示しています。
その理論に沿って考えると、認知を論理的に理解することができます。
【A】
きっかけとなる出来事[Activating Event]
↓↓↓
【B】
信念、考え方、認知[Belief]
↓↓↓
【C】
結果、感情、行動[Consequence]
▼関連記事
→認知行動治療とメタ認知、うつ病・不安障害を克服する方法は?
スポンサーリンク