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統合失調症とは、どんな病気?原因は何なのか?

「統合失調症」は、古くから知られている精神疾患(精神病)のひとつです。

昔は「精神分裂病」とも呼ばれていましたが、現在は「統合失調症」という呼び方で統一されるようになっています。

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統合失調症は、10代〜20代の思春期・青年期に発症することが多く、脳内の化学物質の伝達に支障が起こるなどして「知覚」や「思考」「感情」などに障害が現れます。

他者とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまうため。学校や会社などに行けなくなり、社会生活に支障が生じることも珍しくありません。

病気が慢性期に入ると、感情の起伏が少なくなり、外出を避けるようになります。

早めに病気に気づいて、できるだけ早期に治療をはじめることで症状の改善が見込まれます。

統合失調症の主な症状について

統合失調症の主な症状は、実際には存在しない「誰かの声が聞こえる」などといった「幻聴」や、「誰かに嫌がらせをされている」と感じる「被害妄想」、「誰かに追いかけられている」ように感じる「追跡妄想」などが特徴的です。

また、これらの特徴的な症状に先立って、不安感や抑うつ感が生じたり、不眠や食欲低下などの身体症状も伴うことがあります。

統合失調症の症状の例

・幻覚や妄想があらわれる。
・不安や抑うつ感が強くなる。
・自分の悪口をいう声が聞こえる
・誰かに嫌がらせをされていると感じる
・誰かに追いかけられている感じがする
・不安感や抑うつ感が強くなる
・意欲が低下する
・学校や会社に行けなくなり、ひきこもる
・感情の起伏がすくなくなる
・不眠や食欲低下などの身体症状も伴う

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統合失調症になる原因は何なのか?病気になる理由とは?

精神科の病気に限らず、病気になると誰でもその原因を探したくなるものです。

統合失調症の場合、病気の原因については様々に研究されてきましたが、現在のところ、ハッキリとした原因を特定するまでには至っていません。

その中で、次のようないくつかの仮説が考えられています。

遺伝的な要因、環境的な要因、脳構造の問題、脳内の神経伝達物質やグリアと呼ばれる中枢神経の異常、ストレスに対する個体の弱さなどが原因ではないかと考えられています。

遺伝的な要因

遺伝的な要因については、何らかの遺伝子が関わっている可能性があります。

「この遺伝子が原因かも?」と、いくつかの候補はあがっていますが、まだ問題となるのはどの遺伝子なのかはハッキリと分かっていません。

環境的な要因

環境的な要因としては、出産時のトラブルや母体のウイルス感染が関わっている可能性が指摘されていす。

脳構造の問題

脳構造の問題としては、側脳室・第三脳室の拡大、海馬領域の体積減少、灰白質の体積減少などが特徴的にみられるとされています。

脳内の神経伝達物質の異常

脳内の神経伝達物質の問題はについては、脳内物質のドーパミンやグルタミン酸の放出量に異常が認められ、研究危機の進歩により今後の解明が期待されています。

ストレス脆弱性

統合失調症への脆弱性を持つ人がストレスにさらされると、統合失調症の発症率が高まるといわれています。

このように、統合失調症の原因は、脳の器質的な問題やストレス耐性の弱さなど、さまざまな原因が考えられていますが、現在のところハッキリとした原因はわかっていません。

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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