強迫性障害の原因はストレスや脳の過活動?
長い間、強迫性障害は心理・社会的な要因で起こる病気(不安障害、神経症)と考えられてきましたが、最近は、背景に脳の機能障害があることがわかってきました。
セロトニンや脳の過活動が原因?
オーストリアの精神医学者、フロイトが強迫神経症の概念を確立て以来、強迫性障害を引き起こす原因として、ストレスなど心理・社会的な側面が注目されてきました。
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しかし、1980年代に入って薬物療法の効果が分かってくると、「セロトニン」という神経伝達物質が強迫性障害の病態と関わりが深いことが判明しました。
また、脳の機能画像を用いた研究の結果などから、脳の部位に機能的な異常がみられる可能性が指摘されています。
これらの結果から、強迫性障害が発症する背景には、図に示されている脳の部位を結ぶ神経ネットワークに問題があると推定されています(前頭葉・皮質下回路の神経ネットワーク異常仮説)。
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強迫性障害(強迫神経症)の原因について
かつては強迫神経症といわれ、治療の難しい病気とされていた強迫性障害ですが、最近は、病気が起こる原因の解明が進み、治療できる病気になってきています。
考え方や物事のとらえ方が原因【認知行動理論】
物事のとらえ方や考え方のクセが、症状をひきおこしやすくなるといわれている。誰にでも起こりうる侵入思考を過大評価すると、強迫観念が生じる。そして、不安を解消するために行動をくり返し、強迫斉唱h外になっていく。
セロトニンが強迫性障害の発症の原因か
脳内の神経ネットワークの障害が、強迫症状をもたらすと理解されている。神経伝達物質(セロトニン)の乱れが、脳内ネットワーク障害の一因となる。最新の画像検査を用いた研究でも脳の機能異常が確かめられている。
ストレス等のその他の要因
病前性格の特徴、対人関係の問題、生活上のストレス(ライフイベント)の影響など、従来、考えられてきた心理・社会的要因も強迫性障害の原因のひとつとして考えられる。
総合的な理解
単一の見方をするのではなく、「脳の機能障害」「認知行動面の特徴」「その他の心理・社会的要因」をあわせてトータルに病気を診るのが現在の理解(生物・心理・社会モデル)。
強迫性障害の原因と考えられる脳の部位
強迫性障害と関連が深い脳の部位には次のようなものがあります。
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・眼窩前頭皮質
・淡蒼球
・視床
・尾状核
・前部帯状回
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