チック症の治療は病院を受診しなくてもいい?
子どもにチックがあるからっといって、必ずしも病院への受診が必要なわけではありません。
ですが、チック症状のせいで、日常生活に不便なことがあるなら、気軽に病院へ相談に行ってみましょう。
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幼児期は、子どもより親の方が心配する
子どもにチックの症状があらわれ始めたとき、「何が原因?」「ストレスは何か」「友だちにいめられるのでは」と心配な気持ちになるのは、子どもよりも親の方です。
低年齢の場合、当の子ども本人は、チック症状を自覚していたとしても、とくに気にする様子はないのが一般的です。
まわりの子どもも、チック症状に頓着しないことが多いようです。
子どもは音声チックの方が困る
チック症の場合、病院への受診を考える目安は、症状が続いている期間より、どれだけ日常生活上に困ったことがあるかです。
運動性チックは、周囲も「くせ」と受け入れやすい傾向があります。
また、チック症状が長引いても、まばたきだけなど、徐々に目立たなくなることが多いのです。
その一方で、音声チックは「うるさい」と思われたり、本人も困っていたりすることが少なくありません。
大きな声が繰り返し出るような症状なら、病院へ受診して医師に相談してみるとよいでしょう。
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子どもの年代別、親の相談内容について
子どもの年齢によって、親が心配する内容は変化します。
幼児期
「チックやトゥレット症候群は、健康に育っていないことのあらわれでは」などと、発達に関する悩みを持つことが多い。
学童期
「学校生活で、チックのある子どもの言動が問題になっている」「いじめが心配」など、集団のなかで明らかになる問題が中心に。
思春期以降
攻撃性の高まりや、強迫症状などに対する対処法。
症状が残存した場合には、生活のしにくさや遺伝の問題などもあがってくる。
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チック症の子ども本人の悩み
チックがあるために、本人も困っている場合があります。
生活上、問題になるようなことがあれば、病院を受診して治療を考えましょう。
音声チック
①アッ、アッという奇声がうるさいと言われる。
②リコーダーが吹けない、ハーモニカが吹けない。
③好きな女の子の名前が出ることを心配する。
④汚言が出ることを心配して学校に行けない。
⑤受験の筆記試験や面接の会場でチックが出ないか心配する。
運動性チック
【A 顔面、口(舌、下顎、頬部)のチック】
①頬粘膜をかみ切って潰瘍を形成して感染を起こす
②舌を歯にこすりつけるチックのため、舌に潰瘍を形成する
③下口唇内側に歯をこすりつけるため、潰瘍を形成する
④口を大きく開けるチックのため、口角の亀裂や出血、感染を起こす
⑤口周囲をなめるチックのため、発赤と痛みが起きる
⑥混雑した車内などで人がふれるとにらみつけるため、叱られる
【B 頸部のチック】
①頭をふるチックで頭痛が誘発される
②頭をふるチックで、首や肩が痛くなる
【C 上肢のチック】
①食事中、手が動いて食べ物をこぼす
②上肢をふるチックのため字が書けない、鉛筆がもてない
③ひじを側胸部にこすりつけるため、皮膚の発赤と疼痛をともなう
④周囲の人をたたくため、けんかになる
⑤自転車に乗っているとき、ハンドルから手を離す
【D 体幹】
①腰をひねるチックで、腰痛が起こる
【E 下肢のチック】
①飛び上がるチックを中断できず、ベッドに入れない、学校に遅刻する
②下肢をくねらせるチックのため歩けない、転倒する
【F 全身の強直あるいはミオクロヌス様のチック】
①もっているものを落とす
②転びそうになる
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