【教師の対応②】アスペルガーの行動特徴を理解し、得意分野をほめる
学校の教師の役割で最も大事なのは、アスペルガー症候群の子どもをほめること、といえます。
子どもの欠点や問題点を直すことよりも、良いところを伸ばすことを第一に考えましょう。
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ほめることで子どもの長所をのばしていく
子どもとの接し方の基本は、良い面をみることです。
アスペルガー症候群の特性は、見方によって長所にも短所にもなります。
なんでも口にしてしまうことを「素直」ととるか「わがまま」ととるか、それは教師の考え方次第です。
教師が良い面をたくさんみつけて、長所をほめてくれたら、子どもも自分の良い面に気づきます。
それが成長のきっかけになり、心の支えにもなります。
否定ではなく、肯定による教え方がいいのです。
なにをしてはいけないか、ではなく、なにをするのがよいかを考えて、アスペルガーの子どもの支援をおこなっていきましょう。
アスペルガーの子への教師の対応【5ヶ条】
アスペルガー症候群の子どもに対して、小学校の教師が理解しておくことは、主に5つあります。
子どもが失敗しやすい状況をできるだけ減らし、学校生活に充実感をもてるよう、指導していきましょう。
①複雑な指示をしない
「もしも給食があまったら、食べそうな人に教えてあげて」というように、仮定や条件を含む指示は混乱の元になります。
指示は簡潔にしましょう。
②できる分野を伸ばす
すべての分野を平均的に伸ばすのは難しいことです。
苦手科目の勉強を強要するのではなく、得意分野をほめて、アスペルガーの子どもに自信をつけさせるとよいでしょう。
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③話しかける前に名前を呼ぶ
アスペルガーなど発達障害の子どもは、まわりの人の言葉を聞いていないことがあります。
最初に「○○さん」と呼びかけ、自分への言葉だと気づけるようにしましょう。
④感情的な反応をしない
子どもをしかるときに、大声で怒鳴ったり机をたたいたりしてはいけません。
感情的な行動は、子どもにとって恐ろしい体験となり、対人恐怖やトラウマなどにつながるおそれがるので注意しましょう。
⑤スケジュールを示す
時間割を示すのはもちろん、質問することや、テストをすることなど、予定はできるだけ事前に伝えることが望ましい対応方法です。
教室を移動するときにあわてる子は、事前に予定表を見せるとよいでしょう。
教師が信じれば子どもはのびる
子どもは自分の力で成長しますが、その土台となるのは教師です。
教師が子どもを信じることで、アスペルガーの子どもは自分を信じられるようになります。
失敗が少なく、成功が多くなるように環境を整えましょう。
教師は、欠点を気にして強く注意するのではなく、長所に目を向け、子どもの成長を信じて待つ姿勢が大切です。
学習面のアスペルガーの行動特徴
アスペルガー症候群の子は、学習・勉強に関して、次ののような行動をとる傾向があります。
すべてのアスペルガー症候群に当てはまることではありませんが、これらの行動特徴には積極的に対応していくべきです。
【学習面のアスペルガーの行動特徴】
・漢字と計算が得意
・作文や応用問題が苦手
・急な質問に応えられない
・ノートをとるのが遅い
・難しい言葉づかいをする
・手先が器用ではない
・記憶力が非常に優秀
・大声でしかるとパニックになる
・授業中に席を立ってしまう
・教室を移動すると混乱する
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