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アスペルガー症候群と自閉症の違い、共通点について

発達障害であるアスペルガー症候群と自閉症との間に、明確な境界線はありません。

言葉の発達という点では2つの間に違いがありますが、そうした違いや診断名にとらわれず、子どもの個性をみて、柔軟な考え方で支援していくことが大切です。

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自閉症とアスペルガーの境界はあいまい

アスペルガー症候群を、ほかの発達障害や個人差による発達の送れと厳密に区別するのは簡単ではありません。

そのため、広い意味で「自閉症スペクトラム障害」とも呼ばれることがあります。

広汎性発達障害はひとつの大きな連続体

アスペルガー症候群や高機能自閉症は、広汎性発達障害という枠の中に含まれる診断名です。

この広汎性発達障害は、ひとつの大きな連続体だと考えられています。

個々の診断名に明確な境界線がなく、また、脳障害の有無もはっきりとはしません。

子どもは、そのあいまいとした連続体の中を揺れ動いています。

障害の有無にこだわらず、子どもの持っている特性を把握することが大切です。

発達障害の原因は脳の一部の障害と考えられている

広汎性発達障害の原因は、脳機能の障害です。

ただし、脳のどの部分にどんな異常が起きているのか、詳細は分かっていません。

ですから、診断もハッキリとはつけられず、発達障害の可能性が高いが、断定はできないという場合に「○○障害の傾向が強い」という言い方をすることがあります。

ハッキリと診断されたわけではありませんが、障害の可能性を考慮した対応が必要になってきます。

障害のある・なしははっきりしない

発達障害は、あいまいで複雑な概念です。

自閉症とアスペルガー症候群は、特徴が重なり合い、境界線ははっきりしていません。

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子どもの様子をみて、どの障害だと断言することは難しいのです。

検診や検査などで調べる

アスペルガー症候群や自閉症などの発達障害は、地域の健診や、発達検査によって調べます。

健診は1歳半、3歳のときに地域自治体から通知がきます。

健診を受けて気になる点があったら、保健センターなどでより専門的な検査を受けます。

健診、検査を通じて、子どもにどんな特性があるかを把握していきます。

【地域の健診】
医師、保健師らが会話、遊び、運動などをみる

【発達検査】
保護者へのアンケートと、医師、保健師による観察によって、発達内容をくわしく調べる。

発達障害の可能性が低いと考えられるケース

【性格】
性格がおとなしいために無口な子もいる。
言葉の発達水準だけをみても、障害の有無はわからない。

【得意・不得意】
だれにでも得意、苦手がある。
アスペルガー症候群でなくても、想像力を働かせることが苦手な子はいる。

【発達の遅れ】
成長の速さには個人差がある。
障害の有無にかかわらず、社会性がなかなか育たない子は多い。

発達障害の可能性が高いとも低いともいえない中間のケース

【自閉的傾向】
コミュニケーション能力の不足やこだわり、感覚過敏などがある場合、自閉症の傾向があるという。

【アスペルガー症候群】
社会性やこだわりなどに自閉症の特徴が表れるが、言葉は覚えるなど知的発達には問題がみられない。

発達障害の可能性が高いと考えられるケース

【高機能自閉症】
アスペルガー症候群と同じで、自閉症の特性を持ち、知的な遅れはない場合、目安としてIQ70以上。

【中機能自閉症】
自閉症のうち、知的発達の遅れが軽度から中等度の場合。
人によって、言葉の覚え方は異なる。

【低機能自閉症】
知的発達の遅れがある場合、コミュニケーションをとるためには周囲からの支援を必要とする。

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