自傷行為(リストカット)と自殺未遂との違い、区別について
リストカットなどの自傷行為は、自殺とは違い「死ぬ心配はないはず」というのも、周囲の人が持つ誤解のひとつです。
自傷行為(リストカット)の中でも、自殺未遂との区別が難しいケースや、自殺に発展していくケースも少なくありません。
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自傷行為(リストカット)と自殺未遂の違いとは?
自傷行為(リストカット)は、「死への思いの強さ」や「方法の違い」などから、精神医学上では一応、自殺未遂とは分けて考えられています。
自傷行為(リストカット)には「死ぬかどうか」よりも、その行為によって「生きていることを確認する」という意味合いの方が、本人にとってはより大きな意味があることが少なくありません。
そういう点で、リストカットなどの自傷行為は、「死」よりも「生」を実感する手段であることが多いのです。
自傷行為が続く場合は自殺に注意が必要
しかし、自傷行為(リストカット)が続く場合は、背景にある問題が自殺につながることもあるので注意が必要です。
長期的に調べてみると、自傷行為(リストカット)をした経験がある人が自殺する割合は、自傷行為(リストカット)をしたことがない人に比べて高い率であるといわれています。
自傷行為(リストカット)の背景となっている本人の気持ちの問題が、結果的に自殺につながる場合も考えられます。
また、何回も繰り返すうちに、自傷行為の方法がエスカレートするおそれもあります。
自傷行為と自殺未遂の境界線は判断が難しい
自傷行為と自殺未遂の違いについては、専門家でも意見が分かれるところで、判断が非常に難しい要素を含んでいます。
リストカットは死にはしない、という安易な思い込みは危険です。
絶望の深さ
リストカット等の自傷行為を繰り返すうちに、徐々に絶望感が深くなり、自殺へとつながるケースもあります。
事故
自傷行為の場合でも傷が深くなると、運動障害などの重い合併症や後遺症が生じることがあります。
自傷行為の方法のエスカレート
リストカットは至死率が低い方法ですが、繰り返すうちに、過量服薬など危険性の高い方法へとエスカレートする恐れがあります。
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より注意が必要な自傷行為の特徴とは?
次のような要因がある自傷行為は、自殺に至る危険性が高いと考えられるので、より注意が必要です。
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・見つかりにくい、助けられにくい状況を選んで実行する
・傷が深いなど、身体的ダメージが大きい
・前もって計画的に準備している
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→自傷行為(リストカット)の代わりになる方法、代替手段とは?
小さなサインを見逃さないこと
リストカットなどの自傷行為を繰り返している人が自殺未遂に至る場合、その前には何らかの変化やサインがあらわれる場合があります。
親や家族、恋人や友達など、周囲の身近な人は、こうしたサインを知っておくことも必要です。
小さなことや、ささいなことでも「いつもと違う」というサインを見逃さないようにしましょう。
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うつ状態の悪化
うつ病のサインと重なるものが多くあります。
・睡眠や食事に変化がある
・普段に比べ、ひとりになりたがる、一人でいる時間が増える
・自分はダメだと言うようになる、言う回数が増える
気持ちの変化
もどかしさが高じてイライラし、攻撃的になることもあります。
・積極性が低下する
・攻撃的になる
行動の変化
身辺整理を思わせる行動に注意しましょう。
・家族や友人と連絡を取らなくなる
・物を人に譲ったり、それとなく別れを告げたりする
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