ID-100325665

無視しても大丈夫?リストカット・自傷行為への対応

自傷行為(リストカット)への周囲の対応として「注目しすぎない」ことがあげられます。

周囲の反応が自傷行為(リストカット)の行動に注目しすぎると、かえって回数を増やすおそれもあります。

スポンサーリンク

では、自傷行為(リストカット)に気づいたとしても、そのまま無視していても大丈夫なのでしょうか。

注目しすぎないことと無視することは違う

自傷行為(リストカット)の場合、周囲の人が本人とその自傷行為をどう見ているかが、今後の本人の行動を左右する場合もあります。

周囲が「なぜリストカットするのか」「リストカットは良くないこと」とその行為を話題にする場合、周囲の注意は本人の気持ちではなく行為にしか向いていません。

そのため、本人は「自分の気持ちが理解されていない」と感じてしまい、周囲の気持ちとは裏腹に自傷行為(リストカット)を誘発するおそれが高くなってしまうのです。

▼関連記事

→自傷行為やリストカットをする原因、理由は何?どんな心理状態なのか?

自傷行為(リストカット)の行動への注目は避ける

たとえ本人を思いやっていても、リストカット(自傷行為)の行動だけに注目すると、まわりの人からの言葉は非難、批判が増えてしまい、本人への励ましや思いやりが少なくなってしまいます。

リストカットすることの自傷行為そのものへの注目は、本人をそのまま理解することにはつながりません。

▼関連記事

→周囲の人はどう対応すればいい?自傷行為(リストカット)への対処方法

自傷行為(リストカット)のよくない対応例

【非難】
リストカットという行為への非難が、そのまま本人を責める言葉となってしまいます。

【批判】
リストカットが何の解決にもならないことを説明しても意味はありません。
かえって、本人が感じているプラスの効果を理解していないことを印象づけ、反感を招きます。

スポンサーリンク

【賞賛】
学校などで、親しい友達やグループ内でリストカットが流行するとき、リストカットを「勇気ある行動」として賞賛することがあります。
特殊な状況とはいえ、リストカットを増加させる大きな要因となります。

【その他よくない周囲の対応例】
・話題にしない
・秘密にする、隠す
・本人に口外しないようにする
・軽視する
・死ぬことはない、とあしらう

自傷行為(リストカット)を無視しても解決にはならない

注目しすぎるのはよくないからといって、自傷行為(リストカット)を無視して「見ないようにする」ということでは、何の解決にもなりません。

リストカットなどの自傷行為を恥ずかしいこと、いまわしいものとして見ないようにすることは、本人と周囲の人との関係を悪化させ、援助がよりいっそう難しくなってしまいます。

自傷行為(リストカット)から目を背けていては、周囲と本人との交流は表面的なしらけたものになってしまいます。

自傷行為を無視して目をつぶると、本人と家族や恋人・友達との人間関係がゆがみ、援助の手を差し伸べたり適切に関わることが難しくなります。

また、自傷行為を恥ずかしいこととして、秘密にしたり、隠したり、無視したりすることは、本人を傷つけ、問題を長引かせてしまいます。

自傷行為をなかったことにすると、周囲が本人と向き合う機会がなくなります。

また、本人に自傷行為を隠すように求めると、本人は「自分は恥ずかし存在だ」とネガティブな気持ちを強めてしまったり、本人に「分かってもらえない」と感じさせてしまいます。

▼関連記事

→どんなカウンセリングが行われる?自傷行為(リストカット)の治療

→自傷行為(リストカット)の代わりになる方法、代替手段とは?

→自傷行為(リストカット)と統合失調症との関係とは?

スポンサーリンク