【認知行動療法のやり方】社交不安障害の治療について
他人との交流に強い不安を抱き、社会生活に支障をきたすことを社交不安障害といいます。
社交不安障害の人は、自分が人からどう見られているか、というイメージに振り回されている状態です。
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自意識過剰な社交不安障害を克服するために
社交不安障害の人には、他人にぶざまな人間だと思われないように過剰に努力する傾向があります。
このままではすべての人に嫌われ、社会的な死を迎えるのだという恐怖を、社交不安障害の患者さんは感じているのです。
実際にはそんなにひどくないのですが、主観的で客観的な視点が持てず、自意識過剰になっていて、現実の自分が見えないのです。
社交不安障害を治すためには、例えば、ビデオ撮影や行動を変える実験によって、自己イメージを客観的にとらえなおすことが必要です。
周りの目が気になる・注意が自分に集中する
社交不安障害の患者さんは、自分が周囲からどう見られているか、ということに注意を集中しています。
周りの人から否定的に評価されることは「社会的な死」につながるという恐怖が根底にあります。
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社交不安障害の症状と特徴
社交不安障害の人は、人と話す機会や大勢が集まる場所で、自分はおかしな人だと否定的に思われるのではないか、そうしたらもう終わりだと、自意識過剰[自己集中]になってしまいがちです。
その結果、安全行動をとる、他人と関わる場面を避けるか、注目されないようにふるまう、という行動に出てしまいます。
ほかにも、変なことを言わないように黙っているが、緊張して赤面したり、うまく話せなくなったり、手が震えたりする(身体反応)こともあります。
注目されないようにした結果、かえって言動が不自然になり、注目され、さらに不安になり、人に対する恐怖や不安が強くなってしまう悪循環が社交不安障害にはあるのです。
社交不安障害の認知行動療法のやり方
認知行動治療において、社交不安障害を克服するために、どのような治療方法がおこなわれるのでしょうか。
認知を変える
【ビデオで確かめる】
言動を録画して、自分の姿を実際に見てみる。思ったほどみじめには見えない。
[例]
緊張して声が震えていると思っていたが、ビデオで確認してみると、ごく普通の声だった。
行動を改善する
【試してみる】
安全行動をした場合を、していない場合で、状況がどう変わるか試す。
安全行動は逆効果だと知り、やめる。
【注意を外へ向ける】
他人の外見や声の調子、話のないように注意を向ける練習を繰り返す。
※社交不安障害の治療は、クラークとウェルズによる理論に基づいて開発されています。対人恐怖への認知行動療法の著書があります。
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