社会不安障害(あがり症)の体験談|外食できない、手がふるえて字が書けない

社会不安障害(極度のあがり症)の症状で悩んでいる人は、実はかなりの人数がいるといわれています。

そこで今回は、社会不安障害(極度のあがり症)を紹介したいと思います。

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①気をつかいすぎて人前で食事ができない(女性)
②人前で文字を書くと手がふるえてしまう(男性)

①気をつかいすぎて人前で食事ができない(女性)

まわりの人に気をすぎてしまい、人前で食事ができない女性、Sさんの体験談。

Sさんは、昔から外食するのが苦手で、ストレスを感じていました。会社でも、昼休みに同僚からランチに誘われても「もうちょっと仕事をしてから」といつも断るのですが、誘ってくれた人が嫌な気分になっていないか、と心配になってしまいます。

Sさんが外食できない理由は「人前で恥ずかしいことをしてしまったらどうしよう」という強い不安や恐れからです。不安な気持ちになってしまうと食事がノドを通らなくなり、味も分からなくなってしまいます。

会社に就職して働くようになってから、会議など人前で話をするときに顔が真っ赤になってしまったり、お腹がゴロゴロ鳴ってしまったりします。そうした自分の状態をストレスに感じていますが、「誰もわかってくれない」と思い、ひとり我慢する日々が続いていました。

自分が社会不安障害であることを知った

ある日、雑誌を読んでいると「社会不安障害」という病気のことが載っており、よく読んでみると自分の症状とそっくりなことを知りました。

病院を受診するのは怖い気もしたのですが「一度きりの人生、このままじゃ嫌だ」と思い、思い切って病院を受診しました。実際に病院へ行ってみると、明るい雰囲気でリラックスして診察を受けることができ「自分が社会不安障害という病気である」ことに初めて気づいたのです。

社会不安障害の治療を始めるとランチに行けるように

社会不安障害の治療は、SSRIによる薬物治療とエクスポージャーが行われました。エクスポージャーでは、家族だけで外食する等の簡単なステップから始め、店員ともあまり話さなくてもいいファーストフードであれば、自分1人だけでも行くことができるようになりました。

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また、治療を開始してからは「人前で恥ずかしい思いをしたくない」という今まで感じていた不安や心配の気持ちも改善されていきました。そして、会社での会議でもスムーズに発言する体験ができ、徐々に自信がつくようになってきています。

②人前で文字を書くと手がふるえてしまう(男性)

男性Tさんの社会不安障害(極度のあがり症)の体験談。

Tさんは昔から人前で字を書くのが苦手でした。例えば、銀行や役所の手続きのときに自分の名前を書くときでも、受付の人の視線が気になってしまい、不安な気持ちになってしまうのです。

苦手なりにもなんとかやり過ごしてきていたのですが、会社の部下の結婚式のときに記帳したとき、緊張から字を書く手がふるえてしまったのです。誰かに見られていると思えば思うほど、反対の手で押さえなければ自分の名前が書けないくらい、手が激しくふるえる身体症状があらわれるようなったのです。

会社で課長に昇進してからは、周りの人の目や視線がさらに気になるようになってしまいました。新入社員や若い頃は目立つ仕事を避けていたのですが、管理職になると会社でも社長や専務、部長などの上司とのコミュニケーションの機会も増えていきます。

しかし、他の社員が見ているかと思うと、緊張してしまってうまく話せなくなってしまいます。「失敗して評価が下がってしまうかもしれない」と考えてしまい、ますます不安な感情が高くなっていきます。

頭の中が混乱して真っ白になり、息苦しさやめまいなどの身体書状もあらわれ、最終的には「今自分が何をしているのか」すらわからなくなって、呆然と立ちつくしてしまうのです。

あがり症は自分の性格だと思って受診していなかった

Tさんは、自分が社会不安障害という病気かもしれない、ということは、以前から何となく感じていたのですが、いい歳をした大人が「あがり症」で病院を受診したら笑われて恥ずかしい思いをするのでは、と考えて受診することを避けていました。

しかし、「この状態が続くと仕事にならない」と思い、病院で治療を受けることを決断しました。家の近くの病院だと近所の人の目も気になるので、電車で2駅先のメンタルクリニックを通院しています。

Tさんは、人前で文字を書いたり、話をする状況で、強い不安や恐怖を感じる症状があるので、抗不安薬を服用しながら少しずつ成功体験を積み重ねていく方法を選んでいます。

薬の効果もあり、徐々に人前での緊張感もやわらぎ、人に見られていても手が震えることなく文字を書く事ができるようになっています。

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