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近年、幼稚園や小学校などの教育現場を中心に、LD=学習障害という言葉を耳にする機会が徐々に増えてきています。

LDとは、[ Learning Disabilities ]の頭文字をとって[ LD ]となっています。カタカナ読みだと、ラーニング・ディスアビリティズとなりますね。

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Lの部分の”Learn”は、学ぶという意味ですね。で、〜ingと進行形になっているので、学ぶことという意味として捉えればいいのかなと思います。(何だか英語の授業みたいですが・・・笑)

Dの部分の”Disabilities”は、disabilityの複数形です。disabilityは、ハンディキャップや障害、身体的に不利な条件などを意味します。

実はこの”disability”が複数形の”disabilities”になっていることからも、LD=学習障害が「あるひとつの状態」を指すだけでなく、様々な状態・症状があるということを暗に示しているといえます。

今回は、そのLD=学習障害の種類についてお伝えしますね。

LD=学習障害にはどんな種類があるのか?

前回、日本の文部科学省が公表した「LD=学習障害の定義」をお伝えしましたね。それに加えて、アメリカ合衆国で公表されている定義も有名なので紹介しておきます。

「学習障害とは、聞き、話し、書き、推理する能力、算数の能力を取得したりするのが著しく困難な、さまざまな問題群の呼び名である。そのような問題は、生まれつきの中枢神経の働きの障害によるものと考えられる。 学習障害は、他のハンディキャップ(たとえば、感覚の障害、精神遅滞、社会性や情緒の障害など)や不適切な環境(文化的な違い、望ましくない教育など)からも生じるが、そのようなハンディキャップや環境から直接生じるものではない。」 1981 アメリカ合衆国 連邦合同委員会

この内容をみて分かるように、LD=学習障害にはいくつか種類があります。今回は、代表的なものをいくつか紹介したいと思います。

読字障害(失読症)

LD=学習障害の中でも比較的よく知られているのが、読字障害だと思います。失読症と言った方がピンとくる方も多いかもしれません。

文字を読めない、文字や文章を読むのがとても困難という障害になります。ただ、知的障害ということではなく、周りの人からすると「普通な感じ」と捉えられる傾向がある障害になります。

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トム・クルーズ、キアヌ・リーブスなど、ハリウッド俳優の中にも失読症の人が多かったりします。

書字表出障害(鏡文字)

失読症以外には、書字表出障害というのがあります。

文字通り、書いて表すときの障害、といった感じになります。「鏡文字」といった言葉の方が広まっているのかなと思います。

鏡文字とは、鏡に写したかのような字、のことです。文字が左右反転している状態ですね。書字表出障害だと、書くときに文字を鏡に写したように逆さまになった字を書いてしまうそうです。

この鏡文字で有名なのは、映画「天使にラブソングを」で有名なハリウッド女優のウーピー・ゴールドバーグですね。パワフルな声に観る者すべてが圧倒されました。

いつ頃だったか正確に記憶していませんが、彼女は「自分が鏡文字を書いてしまう」ということを公表していましたね。

算数障害

算数障害とは、国語や社会など他の勉強は普通にできるけど、算数だけが全然できない、という学習障害です。

2012年の文部科学省が発表したデータを見てみると、算数障害に該当するであろう小中学生の割合は2.3%だそうです。約50人に1人、2クラスに一人の子が算数障害で心を痛めている、という状態です。

その算数障害について、おすすめな絵本があります。

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『算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし』
バーバラ・エシャム:文、マイク&カール・ゴードン:絵

主人公の男の子の名前はマックス、小学校3年生です。

彼は、九九が覚えられないのに・・・高校数学Iの問題をスラスラ解けてしまう、という数学の天才だった!という話です。

日本の算数障害研究の第一人者の熊谷恵子筑波大学教授によると、算数障害は、大きく2つに分けられるといいます。マックスのように「数の処理や四則演算が苦手で、筆算や暗算にはつまずくけれど、数の概念が理解でき、数学的推論や数学的思考ができるタイプ」。

その反対に「数の処理や四則演算ができても数の概念が理解できず、数学的推論につまずくタイプ」です。著名な数学者でも計算が苦手な人がいるという話をよく聞きますが、数の概念を理解する力と、九九を覚えたり四則演算できたりする力は必ずしもイコールではないのです。

まとめ

LD=学習障害には、失読症、鏡文字、算数障害などいろいろな種類がある。
それぞれの障害(特徴)に合ったサポートが大切になる。

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