LDとADHDの併発・合併は多い?学習障害と注意欠陥多動性障害
LDとADHDが併発している子供の割合は決して少ないとはいえません。
LD(学習障害)の子供の中で、行動面の困難が目立つのは、落ち着きがない、その場に適した行動がとれない、といったADHD(注意欠陥多動性障害)の子供です。
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しかし、多動性以外にも「場面に適した行動がとれない」場合はたくさんあります。
よく見られるLDとADHDを併発・合併している子供
LD(学習障害)の子どもによく見られる行動面でのかたよりは、いくつかのパターンがあります。
ひとつは、もっとも目立つもので、LD(学習障害)とADHD(注意欠陥/多動性障害)を合併・併発しているタイプです。
ADHD(注意欠陥/多動性障害)の子供は、幼い頃から「落ち着きがない、走り回る」などの特徴が目につきやすく、周囲の人が早くから発達障害に気づきます。
もうひとつは、多動とは逆に、動作が極端にゆっくりなタイプです。
ADHDのような「多動」に対して「寡動(かどう)」と呼ばれます。
また、気持ちをコントロールする力が弱く、突発的に行動してしまう子供もいます。
LDなどの発達障害でみられる両極端な行動面の特徴
LD(学習障害)に限らず、様々な発達障害では、非常に活動的か、逆に極端に活動度が低いというかたよりが見られます。
どちらも状況や場面に適した行動がとれない特徴があります。
多動に比べると、寡動は問題が少ないようにみえますが、どちらも状況に合わせた行動が取れない点で、行動に困難を伴います。
多動性
・少しの間もじっとしていられない
・次に何をするか予測できない
非常に落ち着きがなく、絶えず何かしている子供です。
注意力が散漫なため、興味の先が次々と変わり、その結果、多動になっている場合もあります。
寡動性
・動きがゆっくりで反応が鈍い
・無気力
寡動性の人数や割合は多くはありませんが、ぼんやりとした印象で、呼びかけても反応が遅く、積極性がないと感じさせる特徴があります。
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集中力がないわけではない
行動に問題のある子供の多くは、集中力、注意力の使い方にかたよりが見られます。
よく集中力がないと見られがちですが、それは正しくはありません。
自分が興味のあることには驚くほどの集中力を発揮します。
集中力の使い方にムラがある状態なのです。
注意力、感情のコントロールがうまくできないのです。
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落ち着きがない、人の話を聞けない、原因とは?
ひとことで「落ち着きがない」「人の言うことを聞いていない」といっても、その要因はさまざまです。
【気分が変わりやすく不安定】
すぐにカッとなったり、自分のしたいことを我慢できないために、落ち着きがなくなります。
【しなければならないことに向ける注意力が弱い】
自分が今していることや、ひとつの対象に向ける注意力が弱く、集中できません。
【したいことや自分なりのルールへのこだわりが強い】
しなければならないことや人から言われたやり方に柔軟に対応できず、「人の話を聞いていない」と見られてしまいます。
【外から入ってくる刺激を受けとる注意力が鋭い】
外からの刺激をキャッチするセンサーとしての注意力が鋭く、外界の音に絶えず反応してしまいます。
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→【子どものADHD】言葉遣いや言葉の理解がおかしい、話が通じない
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授である上野一彦先生執筆・監修の「LD(学習障害)のすべてがわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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