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LDとADHD、高機能自閉症の違いは何? | 学習障害・注意欠陥多動性障害

子供の発達障害でもある、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症は、どこが違うのでしょうか。

LDとADHD、高機能自閉症には、同じような共通点もありますが厳密には異なります。

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それぞれの特徴から、違いについてみてみましょう。

ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴

ADHDは、大きく分けると、注意力に関する特徴と、多動性に関する特徴に分けられます。

注意力

・不注意が多い
・注意が続かない
・話しかけられても、聴いていないように見える
・義務をやり遂げられない
・順序を整理できない
・精神的な努力を要することを嫌う
・必要なものをよく失くす
・外からの刺激に気が散りやすい
・毎日の課題を忘れてしまう

多動性

・手足をソワソワと動かしたり、もじもじする
・座っているべきときにすぐに立ち歩く
・余計に走り回る
・静かに遊ぶことができない
・じっとしていない
・しゃべりすぎる
・質問が終わるのを待てずにしゃべり始める
・順番を待てない
・他人の邪魔をする

特にADHDでは、行動上の特徴や困難のため、集中して学習に取り組むことができません。

また、認知にクセがあるために、他の子供と同じ方法では学習できないケースが多くみられます。

高機能自閉症

高機能自閉症とは、自閉症でかつ、知的な遅れがないタイプのことをいいます。

高機能自閉症の主な特徴には、次のようなものがあります。

高機能自閉症の特徴

・対人関係に障害がある
・言葉の使い方、表情に困難がある
・こだわりや興味のあり方がかたよっている
・視覚や聴覚、嗅覚が敏感なことが多い

LD(学習障害)によく似ているADHD(注意欠陥/多動性障害)

LD(学習障害)について詳しくはこちらのページに書いておきましたのでチェックしておいてください。

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⇒LD(学習障害)にはどんな種類があるのか?

ADHD(注意欠陥多動性障害)や高機能自閉症は、発達障害の一種であり、LD(学習障害)と同じように学習に困難を伴いやすい点ではよく似ています。

ADHDの子供が学習に困難がでてくる理由は、注意が散漫、知覚にかたよりがあるなどの特徴が学習に支障をきたしやすいためです。

LD(学習障害)全体から見ても、行動面に困難のある子供はかなりたくさんいます。

しかし、そうでないタイプは「おとなしいLD」として見落とされがちです。

このような子供は目立ちにくく、問題の発見が遅れてしまうこともあります。

ADHD、高機能自閉症などは発達障害としての医学的治療が行われる場合があります。

正確な診断は重要ですが、診断は子供への支援や対応への入り口です。

それぞれの子供の特性にあった支援対策を立ててこそ、診断の意味があるのです。

LDはADHDと混同したり重なることがある

公立の小学校や中学校の通常学級の教師を対象に、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)、高機能自閉症の特徴がある子供の割合を調べたデータは次のとおりです。

教室での指導で何らかの困難をともなう子供の割合

LD 4.5%
ADHD 2.5%
高機能自閉症 0.8%

これらのデータは専門的な判断ではなく、教室での教師の実感をもとにした調査ですが、教育的な配慮を必要とする子供の多さがあらわれています。

LD(学習障害)のタイプや、困難の程度は様々ですが、「わからない」と周囲に伝えずにおとなしく授業をやりすごす習慣がついていると、周囲がLD(学習障害)であることに気づかないという二次的な問題も出てきます。

LD(学習障害)の子供の場合、行動に問題がないと見落とされやすい傾向があるので注意が必要です。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授である上野一彦先生執筆・監修の「LD(学習障害)のすべてがわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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