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専門家でも難しい?LD(学習障害)の診断・判断について

LD(学習障害)をはじめ、子どもが発達障害かどうかの診断・判断は難しいものです。

様々な検査によって、ほかに原因となる病気がない、一時的な状態ではないことなどを確かめていきます。

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医師による診察 | LD(学習障害)

医師による診察では、脳波検査や、CT、MRIなどの画像検査で、てんかんなどの脳の病気がないかを調べます。

また、幼いころの様子、成長の過程などを細かく確認するため、親子一緒の受診が必要になります。

幼い頃にあらわれたサイン・兆候を確認する

・言葉が出るのが遅かったり、かたよりがなかったか
・大きな音やきつい色を極端に嫌がるなどの敏感さがあったか
・興味や関心の幅が狭く、できることとできないことの差があったか
・運動が苦手だったり、不器用さが目立ったか
・落ち着きがなく、必要以上に動き回ったりしなかったか
・子供同士で遊ぶのが下手で、ケンカしがちだっかか

LD(学習障害)の子どもの心理検査

LD(学習障害)の診察における心理検査では、子どもに全体的な知能に遅れがないことを確かめます。

そして、認知のうち、どの力にかたよりがあるかも調べていきます。

心理検査では、認知のど部分にかたよりがあるか、どんな特徴があるかなど、指導の際に欠かせない情報が分かります。

また、心理検査の結果と、学力の程度の差は、LD(学習障害)の判断の材料のひとつになります。

心理検査について知っておきたいこと

・子供の状態で結果が変わる
・重要な個人情報が含まれる
・検査によって特性が多少異なる

専門家でも難しい、LD(学習障害)の診断・判断

子どもがLD(学習障害)かどうか診断・判断するときは、まず医師の診察によって、ほかに原因がないかを確かめます。

さらに、心理検査を行い、知能の遅れがないことや、認知のクセなどを把握します。

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心理検査は、そのときの子供の状態によって結果が変わるなど、非常に微妙な検査です。

検査結果の守秘義務など倫理上の規定が定められていて、誰でも行えるわけ検査ではありません。

LD(学習障害)かどうかの診断・判断は、専門家でも難しいものなのです。

LDの診断は、レッテル張りではなく、支援の始まり

様々な検査によって、子どもに対してわざわざ「LD(学習障害)」と名前を付けることに反感を持つ人もいます。

しかし、本当に重要なのは、LD(学習障害)かどうかではありません。

検査で認知のクセのパターンがつかめれば、その子供にあった教材や教え方を選べるようになり、指導法を工夫していく突破口になるのです。

LD(学習障害)の判断は、より具体的な支援の始まりなのです。

LD(学習障害)への支援

医学的、心理的、教育的観点をふまえて、専門家チームがLD(学習障害)かどうかを判断し、その根拠と具体的指導への助言を校内委員会へ伝えます。

学習に困難のある子供なら、必ずしもLD(学習障害)でなくても支援の対象になります。

専門家チームによるLD(学習障害)の判断

【心理検査では】
明らかな知的発達の遅れがない

【医学的には】
学習の困難を招く可能性のある障害や環境要因がない

【教育的には】
国語や算数など、基礎的な学力に遅れがある。
また、教科間のばらつき、得意と苦手の差が大きい。

個別の指導計画の作成

心理検査の結果や現在の学力、専門家チームの助言をもとに、通常学級の担任の先生、「通級による指導」教室の教員、特別支援教育コーディネーターらを中心に、校内委員会では日々の具体的な指導法や目標を盛り込んだ「個別の指導計画」を作成します。

支援計画のチェック

個別の指導方針は、定期的に見直して、うまく機能しているかどうか、改善するべきポイントはあるか、学校が担任の先生をバックアップできているかなどをチェックします。

◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授である上野一彦先生執筆・監修の「LD(学習障害)のすべてがわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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