ADHDの薬物療法って効果ある?薬の種類について
ADHDの代表的な治療薬であるリタリンの効き方は、人によって大きく異なります。
薬の力を過信せず、場合によっては薬物療法以外の他のADHDの治療法を考えることも必要です。
スポンサーリンク
リタリンの効果には個人がある
ADHDの治療薬リタリンの作用や副作用の強さには、当然のことながら、個人差があり人によって違います。
その効果の差は、薬を使ってみるまで、本人にも医師にもわかりません。
比較的薬が効く子どもの場合は、リタリン服用後30分もすると、多動性や不注意がおさまります。
そうでない場合は、毎日飲んでも効き目があらわれません。
ですので、ADHDの薬物療法において、人によっては途中で薬の使用をやめることもあります。
リタリンだけでADHDの病気が治るわけではありませんし、誰にでも効くわけではないのです。
ADHDの薬物療法は、効果がどの程度あらわれるか、確かめながら続けていきます。
3人に2人は効果が出るリタリン
ADHDのメジャーな治療薬といえるリタリンの効果については、さまざまな見方があります。
アメリカでは「他の薬と組み合わせることで、90%の子どもに効果があった」という報告もありますが、一般的には、服用した人の3分の2程度に改善がみられます。
薬は万能ではありません。
薬の効果がみられる場合でも、過信しないように注意しましょう。
【明らかに効果があった】
【症状が軽度に改善した】
リタリンを服用して明らかに効果があった場合、症状が軽くなったり改善した場合は、そのおなじ薬絵を継続して使っていくのが一般的です
治療薬の服用によって症状が軽減するようであれば、使用を続け改善を目指していきます。
薬の効果も手伝ってさまざまなことを教えやすくなり、コミュニケーションや対応の変更との相互作用が期待できます。
スポンサーリンク
【効果がみられない】
逆に、薬が反応しにくい子どももいます。
その場合は、無理して服用を続けず、他の治療に切り替えていきます。
治療薬の効果があまりみられない場合は、薬物療法以外に他の治療もおこなっていくことになるのです。
リタリン以外のADHD治療薬の種類
ADHDの薬物療法の中心になるのはリタリンですが、症状によって、他の薬を併用していくこともあります。
とくに衝動性をおさえたい場合は、合併症が起きている場合は、それらの症状に特化した薬を用います。
また、うつ病の症状があるときには、リタリンと並行して抗うつ薬を使うことを考えます。
リタリンの効果が低いときや、不安障害や気分障害があるとき
【薬の種類】
三環系抗うつ薬クロミプラミン(アナフラミール)
SSRIパロキセチン(パキシル)
フルボキサミン(ルボックス)
【効果】
うつや不安をとりのぞき、心を落ち着かせる。
衝動性が強く、リタリンだけでは効果が低いとき
【薬の種類】
カルバマゼピン(テグレトール)
バルプロ酸ナトリウム(デパケン)
【効果】
感情を安定させ、衝動性をおさえる。
衝動性がとくに強く、危険が予測される場合
【薬の種類】
ハロペリドール(セレネース)
リスペリドン(リスパタール)
【効果】
衝動性をすぐにおさえる。
力が抜け、眠気が強まる副作用がある。
ADHD症状全般の治療に
【薬の種類】
ペモリン(ベタナミン)
【効果】
リタリンよりも効果が続くが、副作用があり、日本ではあまり使われない。
今後、ADHDの新薬は?
日本国内では、ADHDの治療薬として政府(厚生労働省)の許可を得ている薬はありません。
ですので、リタリンなどの治療薬も現場の医師の判断で処方されています。
現在、日本では、メチルフェニデートの徐放薬(コンサータ)や、抗鬱薬として開発されたアトモキセチン(ストラテラ)の治験が行われています。
それらは欧米で発売されてる薬です。
治療結果が出た後の、今後の展開が期待されています。
スポンサーリンク