【ADHDの治療法】接し方、対応方法と環境改善について
ADHDは、医師の力だけで治療できる障害ではありません。
医師の指示や指導を受けながら、親、本人、家族、友人、知人、学校の先生など、関係する全員でADHDの症状を改善していくことが望まれます。
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周囲からの働きかけを変えることが治療に
ADHDの治療は、子どもへの対応や接し方を変化させたり、生活環境を整えることが、まず第一の選択肢になります。
じっくりと時間をかけて、ADHDの症状を軽減していくことが目的です。
接し方や対応の変更だけで症状が改善しない場合には、薬を使った薬物療法でADHDの多動性や衝動性を抑えることを考えることもあります。
ADHDの基本的な治療方法は、薬物療法とコミュニケーション(接し方や対応)の変更を並行して、ADHDの子どもの問題となっている症状の改善を目指していきます。
一貫性のある治療が重要
周囲からの働きかけでADHDの症状をおさえるためには、本人はもちろん、家族以外の関係者に協力してもらうことも必要です。
関係者が治療を理解して、子どもに対して一貫性のある行動をとらなければ、子どもは変わっていきません。
治療を家族だけでがんばろうとしたり、医師だけに任せたりせず、全員で協力しましょう。
複数の治療法を組み合わせる
発達障害の中には、薬物療法があまり効果がないものもありますが、ADHDの治療では、比較的、薬物療法が有効です。
コミュニケーション方法や接し方、対応の変更、環境の調整を第一に考えながら、必要に応じて薬の作用で症状をおさえることもできます。
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対応の変更・環境の調整
ADHDを理解して、症状を増長しないよう、子どもへの対応を変える。
環境の調整も行い、できるかぎり症状を抑える。
理にかなった考え方をすることで、生活上の悩みが解決する。
薬物療法
6〜12歳を対象に、中枢神経刺激薬「メチルフェニデート(リタリン)」が使われる。
多動や不注意を抑える効果がある。
脳内の神経伝達物質の働きを調節して、症状を改善する。
ADHDの治療に精神療法は効果がない?
医師による問診やカウンセリングを通して、ADHDの患者さんの不安をやわらげることを、精神療法をいいます。
精神療法は、患者さんの心理面に働きかける治療法で、うつ病や不安障害など、心の病気全般に有効な方法ですが、発達障害のADHDのときにはあまり用いられません。
ADHDは脳の機能不全から引き起こされる障害であり、心理面に主因(主な原因)はないから、というのが理由です。
ADHDの子どもが強い不安を抱えている場合には、精神療法がおこなわれることがあります。
子どもの不安定な心理面を落ち着かせるために、ときに精神療法も必要となります。
関係者すべてに協力を求める
家族が医師の指示を守って、ADHDの子どもに適切な対応をしていても、学校の教師が違う教え方をしていたら、子どもは混乱してしまいます。
子どもが幼稚園や小学校に通いながら治療を効果的に進めていくためには、教育機関の協力も必要です。
必要に応じて、学校と連絡をとりあい、子どもの様子を知っておきましょう。
家族、医療機関、学校の三者が共通意識を持って、ADHDの治療にあたれば、早期の症状の改善が望めます。
【家族】
家庭での対応に問題がないか確認し、医師の指示に従って、よくない行動を減らしていく。
【医療機関】
医師は子どもの様子をチェックして、どのような行動から覚えていけばいいか指導する。
【教育機関】
幼稚園や学校の先生にも、治療法を把握してもらった方がいい。
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