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リストカット・自傷行為に対して、周りの人が持ちやすい誤解とは?

リストカットや過量服薬など、自らの身体を傷つける行為を「自傷行為」と言います。

自傷行為は、近年増えてきており、大きな問題となってきています。

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人は誰でも、自分の身体は大切なもので、守るべきものだと認識しています。

それなのに、自傷行為をする人は自分の身体を傷つけ、しかも多くの場合はそれを繰り返すため、まわりの人にショックを与え、冷静さを失わせてしまいます。

自傷行為は、本人にとって声にならない叫びでもあり、その背景には、自分を確かなものとしてとらえられない不安、他人と適切な関係を築くことができないつらさなどが隠れています。

しかし、行為自体のショッキングさから、助けを求めるメッセージはしばしば誤解されがちです。

リストカット・自傷行為は、気を引くためではない?

リストカット・自傷行為をする人に対して、「気を引くためだ」「死ぬ気などないくせに」などといった謝った思い込みを周囲の人が抱きがちなことも、適切に対応することを難しくしています。

自傷行為からの回復は、本人だけでも、周囲の人だけでもできるものではありません。

本人が変わるとともに、周囲の人も対応を見直し、お互いにかかわり合いながら、より良い関係を築いていくことが望まれます。

命に関わるかどうかだけでは、自傷行為かどうでないかを判断することはできません。

しかし、自傷行為は一般に、命に関わる危険度がそれほど高くありません。

リストカットなどの自傷行為は、人の気を引くためにするの?

【×】

人の気を引くために、リストカットなどの自傷行為をするケースは多くはありません。

結果的にまわりの人を巻き込みますが、本人が「気を引く」ことを思っているわけではないのです。

自傷行為・リストカットは、まれな、特殊な問題なのでは?

【×】

アメリカやイギリスの調査では、一般人口のうち4〜5%の割合で、一生のうちにリストカットなどの自傷行為を経験しているという結果が出ています。

決して、特殊な人数の少ない問題ではありません。

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「おどし」の目的で自傷行為(リストカット等)をしているのでは?

【×】

自傷行為をタテに、他人に何かを要求する行為は「脅し」と見ることができます。

脅しには、周囲が根気よく対応し、関係が改善すれば起こらなくなります。

ほうっておいてもそのうち自傷行為はなくなる?

【×】

自傷行為をしている人をほうっておいても、改善はほとんど期待できません。

リストカットなどの自傷行為を見て見ないふりを続けることは、根本的な解決につながることはありません。

自傷行為(リストカット等)は、医師にしか治せない?

【×】

リストカットなどの自傷行為の治療は、本人の治したいという気持ちと、誠実に向き合おうとする家族やまわりの人の姿勢が大切です。

心療内科や精神科の医師だけでなく、カウンセラーによる心理療法も治療に役立ちます。

自傷行為(リストカット等)の治療に、薬は効かないのでは?

【×】

自傷行為の治療では、抗うつ薬の一種であるSSRIなどをはじめ、数種類の薬が使われることがあります。

SSRIは、衝動性を抑えたり、うつ状態を改善する効果があります。

自傷行為と自殺未遂の違いとは?

自傷行為と自殺未遂の違い、境界は非常にあいまいで、判断がむずかしい特徴があります。

しかも、自殺未遂と自傷行為では、必要な対応が異なる点があるので、対応に困るときは、早めに医師やカウンセラーなどの専門家に相談してください。

自殺未遂とは

自殺未遂とは、自殺の意図があり、死ぬために自分を傷つける行為を指します。

自傷行為とは

自傷行為とは、自分で自分の身体を傷つける行為を指します。

自傷行為の医学的な定義としては「意図的に自分を害するが、自殺を意図していないもの」とされています。

自傷行為の方法は、皮膚を切る行為が最も広く知られています。

そのほかにも、皮膚を刺す、やけどを負わせる、自分を殴る、壁の頭をぶつけるなど、さまざまな自傷行為の種類があります。

間接的に自分を害する行為

薬物やアルコールなどを乱用したり、過食や過度の食事制限など、自分を傷つける意図はないが、結果的に自分を害する行為は「間接的な自傷行為」ともいえます。

これらの行為は、しばしば自傷行為に伴いやすいという問題があります。

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