運動が苦手・運動能力のLD(学習障害)のタイプも
LD(学習障害)といえば、代表的なのは失読症(ディスレクシア)と呼ばれる読み書きが苦手な読み書き障害があります。
それと、算数が苦手な算数障害も比較的人数が多いといわれています。
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さらに実は、LD(学習障害)の子供の中には、運動音痴や運動障害とよばれるような運動が苦手なLD(学習障害)のタイプもあるのです。
運動音痴?もしかしたらLD(学習障害)かも
運動面の困難は、LD(学習障害)の中核的な特徴というわけではありません。
LD(学習障害)の子供の中で、運動が得意な子供もたくさんいます。
身体を動かすときには、脳は身体のいろいろな部分を同時に細やかにコントロールしなければなりません。
LD(学習障害)など何らかの発達障害がある場合には、運動の細やかな調整がうまくいかない場合もあります。
全身運動だけでなく、手先の運動にも、さまざまな特徴があらわれます。
手先が不器用なのも運動障害のひとつ
運動神経が悪いといわれるようにスポーツや運動が苦手なほかに、手先を細かくコントロールできないために不器用さも目立ちます。
字がうまく書けないために、言葉の習得が遅れるなど、ほかの問題と複合して起こる場合もあります。
運動といっても、スポーツとは限りません。
ここでいう運動とは、身体を動かすこと全般を指します。
身体のアチコチを同時に動かし協調させる、微妙なコントロールを要する作業なのです。
【運動が苦手】
複雑な運動に限らず、全身を使うとび箱、なわとび、ジャンプなども苦手です。
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【字が下手】
文字を書くのに時間がかかったり、正確に書けなくなります。
もともと文字の理解に問題がなくても、書くのが遅いために理解が遅くなる場合もあります。
【細かいものをつくれない】
指先の作業がうまくいきません。
ひもを結ぶ、服をたたむなどの日常的な動作が苦手だったり、やりたがらなくなります。
【基礎的な動作がゆっくりになる】
歩いたり、走ったりするのが遅かったり、長時間同じ姿勢でいられない子供もいます。
LD(学習障害)の運動障害でおこる問題
運動が苦手だったり、不器用なことを周囲が思うよりも本人が気にしている場合も少なくありません。
身体を動かす遊びや団体競技に参加しにくい
本人が苦手だと思うだけではなく、「○○ちゃんがいるとゲームがうまくいかない」と言われたりして、参加しにくくなってしまいます。
勉強以外での達成感を得にくい
実技系の教科の楽しさ、達成感を得られません。
自尊心や達成感を得る機会が少なくなる
本来は子供たちに魅力的な体育や実技の時間で、達成感を感じられず、仲間意識を持つきっかけが少なくなります。
また、友達から「下手だね」と言われると自尊心が育ちにくくなります。
遊びの楽しさを得にくい
運動が苦手だと、みんなといっしょに運動して楽しんだり、一体感を得るチャンスが少なく、友達をつくったり、仲間意識を育てるうえで不利になりがちです。
また、図画工作など、いわゆる勉強以外の場での楽しみも得られにくくなってしまいます。
◆この記事は、教育心理学者、東京学芸大学名誉教授である上野一彦先生執筆・監修の「LD(学習障害)のすべてがわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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