心理カウンセラーの領域とドクターが担当する領域は同じではありません。
今回は、心理カウンセリングが効果的になる症状や病気、ドクターの医学的アプローチが効果的となる症状や病気の種類についてお伝えしたいと思います。
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心理カウンセリングと医療の違いとは
心の病や精神疾患は、心理カウンセリングや心理療法が効果的なアプローチになります。それに対して、心理カウンセリングやセラピーではどうしようもないようなモノももちろんあります。
心理カウンセラーの領域と医師の領域にはどのように違うのか、についてお伝えしますね。
医師の領域とは
まず最初は「器質因」について。
器質因とは、脳などに直接の原因があることを指します。語弊があるのを承知で言うなら、生まれながらにして細胞レベルでエラーがおきている、といった感じです。そういう観点からとらえると、先天的なものと考えるといいでしょう。
この器質因に当てはまるものは、医師・ドクターの担当領域になりますので、先天的なもの・細胞レベルで生まれながらにしてのものは医療によるアプローチになる、と考えればいいと思います。
それに対して、心理カウンセリングの領域はどうなっているのか、というと・・・
心理カウンセセラーの領域とは
医師の領域が「器質因」だったのに対して、心理カウンセリングの領域は「環境因」になります。
「環境因」とは、その字のとおり、環境が直接の原因となっていることを意味します。器質因が先天的に脳に直接の原因があるものに対して、「環境因」は後天的なものということですね。
この世に生まれてから、どんな人と出会ったか、誰に何をされたか何を言われたか、どんな出来事に遭遇したか、どんな経験や体験をしたか、何を感じ何を考え何を思ったか、といったような後天的なもの、環境的なことが原因となってでてくる反応や症状が心理カウンセリングや心理療法の領域になります。
それぞれどんな種類の病気や症状があるのか?
器質因が大きいもの
器質因が大きいものの代表例は
- てんかん
- 脳性麻痺
- 遺伝疾患(ダウン症)
があります。
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器質因が大きいものは医師・ドクターの領域となるので、てんかんが心理カウンセリングで治る、といったことはおよそありません。
何でも心理カウンセリングや心理療法が効果的というわけではない、ということですね。
環境因が大きいもの
環境因が大きいものの代表例は、
- 愛着障害
- 子ども虐待
- 情緒障害
などがあげられます。
それ以外にも、パニック障害、強迫神経症、PTSD、トラウマ、恐怖症、依存性、摂食障害(過食症・拒食症)、境界性人格障害(ボーダーライン)なども、これまでに喜多はサポートしてきたので、これらも心理療法、心理カウンセリングの領域と言えると思います。
虐待の連鎖と言われるように、虐待を受けて育った子どもが成長して大人になったとき、一定の割合で自分の子どもに対しても虐待してしまう、という研究結果があります。割合でいうと大体6割から7割くらいと言われています。
こういった虐待の連鎖を断ち切る、ということも心理カウンセラーの役割・使命といえますね。
器質因と環境因の両方が関わるもの
ここからは医師の担当で、ここからは心理カウンセリングの担当、とキレイに区別することができれば分かりやすいのですが、実際にはなかなかそう上手くいきません。
器質因と環境因の両方がそれぞれ関わっているものもあるのです。
どんなものがあるかというと、
- AD/HD(注意欠陥/多動性障害)
- LD(学習障害)
- 広汎性発達障害(アスペルガー症候群や自閉症)
などになります。
こういった症状や障害については、医師だけ、心理カウンセラーだけ、ということではなく、精神科や心療内科のドクターと心理カウンセラーや心理療法家がチームを組みクライアントをサポートしていくことが、より良いケアにつながっていくことでしょう。
まとめ
- 医師の領域と心理カウンセラーの領域は違う
- 器質因が大きいものは医師の担当
- 環境因が大きいものは心理カウンセリングの担当
- 器質因と環境因の両方が関わるものもある
クライアントの症状・反応・障害・問題に対して、より効果的なサポートができるように、医師の領域と心理カウンセラーの領域の違いについて、まずは全体イメージをつかんでいただければと思います。
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