適応障害と気分障害・うつ病との違いとは?
適応障害とうつ病などの気分障害は、共通点も多く非常に似ている精神疾患といえます。
それぞれの特徴や違いについて詳しくみてみましょう。
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気分障害とは?
気分障害とは、抑うつ気分を主な症状とする精神疾患のグループで、代表的なのが「うつ病」です。
近年、うつ病の知識が広まり、抑うつを訴える人の多くが「うつ病」と診断される傾向があります。
しかし、実際には、適応障害の人も含まれていると考えられます、
抑うつだけがあるものを単極性障害、抑うつと躁があるものを双極性障害といいます。
このほか、新型うつとされる非定型うつ病も気分障害のひとつです。
単極性障害(うつ病)
・大うつ病ともいう。
・抑うつ気分がほとんど一日中続く。
・興味、意欲、やる気、食欲、気力がなくなる。
・不眠や自責の念に悩み、自殺することもある。
・こうした状態が2週間以上続くとうつ病と診断される。
双極性障害(躁うつ病)
・躁とうつが交互にあらわれるⅠ型、躁が弱くうつが強いⅡ型がある。
・躁状態のときに浪費や破産、性的逸脱などの問題を起こし、社会的信用や人間関係を失うことが多い。
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非定型うつ病(新型うつ病)
・抑うつ気分が夕方に強くなる傾向がある。
・楽しいことや好きなことは普通にできる。
・ささいなことに傷つきやすい。
・過剰に眠る。
・食欲増進、とくに甘いものを食べる。
・身体が鉛のように重いと訴える。
気分循環症
・軽いうつと軽い躁が交互にあらわれる。
・躁うつの症状は軽くても、気分が落ち着く期間がほとんどないだけに、就職や就学が続けにくいなど、社会生活に支障が出る。
気分変調症
・弱い抑うつ気分がダラダラと続いている。
・気分が落ち着いて、普通に過ごせる日もあるが、抑うつ気分のある日の方が多い。
・こうした状態が2年以上続くと気分変調症と診断される。
適応障害の抑うつ気分を伴うタイプ
適応障害の中で抑うつ気分を伴うタイプがあり、憂うつ感、涙もろさ、絶望感、思考力・集中力・判断力の低下などが主な症状になります。
場合によっては、自分の感情がコントロールできず、泣き叫んだりすることもあります。
このタイプの適応障害は気分障害と似ていますが、いずれの症状も気分障害ほど重症ではありません。
そういう意味で、適応障害は「不全型気分障害」とも言えます。
ストレスの原因になる人や物事がないと元気になり、日常生活は何とかこなせたりすることから、まわりの人からは「病気じゃなくて単なるわがまま」と思われてしまうこと多いようです。
◆この記事は、医療法人和楽会理事長、貝谷久宣先生執筆・監修の「適応障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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