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統合失調症の症状と3つのタイプについて

統合失調症の症状にはどのようなタイプがあるのでしょうか。

今回は、統合失調症のタイプと主な症状についてみてみましょう。

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統合失調症の代表的な2つの症状

統合失調症の症状はさまざまですが、大きく「陽性症状」と「陰性症状」の2つにに分けられます。

幻覚・幻聴・妄想などの「陽性症状」について

統合失調症の症状のひとつ、「陽性症状」は、幻覚・妄想・興奮・焦燥など、通常の生活ではないはずの症状のことをいいます。

陽性症状は、病気であることがハッキリと分かるため、周囲の家族や知人から見て発症していることに気がつきやすいものです。

またその反面、周囲の人を巻き込んで人間関係、対人関係のトラブルになりがちなのも特徴といえます。

やる気や意欲の低下・表情がなくなる・引きこもりなどの「陰性症状」について

統合失調症の症状のもうひとつ「陰性症状」では、意欲の低下・表情の乏しさ・引きこもりなど、通常は活発に見られる、いきいきとした心の動きが乏しくなり、注意力や集中力に欠け活動性が低下していきます。

統合失調症の前駆期(病気のごく初期段階)に見られることがありますが、うつ病などとの違いがはっきり分からない面があります。

陽性症状 通常ではあまり見られない、統合失調症を象徴するようなはっきりとした症状。幻覚・妄想・幻聴・興奮・焦燥など
陰性症状 心の動きが乏しくなり、感情の表出が少なくなる。うつ病などとの違いがわかりにくい。意欲の低下、表情の乏しさ、引きこもり、抑うつ状態など

統合失調症のタイプについて

統合失調症の症状はさまざまですが、大きくいくつかのタイプに分けることができます。

タイプによっては、統合失調症の発症の時期やその後の経過(予後)に多少違いがあります。

統合失調症のタイプ「破瓜型(はかがた)」とは

統合失調症のタイプのひとつ目は「破瓜型(はかがた)」です。

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15歳から25歳の比較的若い時期に統合失調症を発症するタイプです。

ちょうど、中学生や高校生、大学生の頃、まさに思春期にあたります。

破瓜型の統合失調症の患者の特徴としては、やる気が失われ、感情の起伏が乏しく少なくなることがあります。

実生活においては学校や仕事を休みがちになって引きこもり、症状は慢性的に経過します。

統合失調症のタイプ「緊張型」とは

統合失調症の2つめのタイプは「緊張型」です。

緊張型の統合失調症は、20歳前後の若い時期に発症します。

主な症状として、興奮した状態と、動きが少なくなる昏迷状態のいずれかが、急激にあらわれる特徴があります。

予後ついては比較的良いとされています。

統合失調症のタイプ「妄想型」とは

統合失調症の3つめのタイプは「妄想型」です。

この妄想型の統合失調症は30歳以後に発症することが多いタイプです。

その響きからイメージできることですが、妄想が主な症状です。

妄想型の統合失調症は、治療の効果があがりにくい場合があるといわれています。

タイプ 発症時期 主な症状 病気の進行と予後
破瓜型 15〜25歳 意欲ややる気が減退し、引きこもってしまう。考えがまとまらなくなり、独り言、ニヤニヤ笑い、しかめっ面などが見られる。 慢性的に進行し、治療の効果がでにくい事も多い。
緊張型 20歳前後 興奮状態か、動きが極端に少なくなる昏迷状態のどちらかがみられる。ただし、比較的短期間で元の状態に戻る。 急激に発症し、症状の悪化が繰り返される。予後は比較的よい。
妄想型 30歳以後 妄想や幻覚などの「陽性症状」が中心。陰性症状は認められない。妄想のために、対人関係でのトラブルが見られることも多い。 急激に発症する。予後は、破瓜型と緊張型の中間くらい。

◆この記事は、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授、東邦大学医療センター大森病院メンタルヘルスセンター長である水野雅文先生執筆・監修の「ササっと分かる統合失調症(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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