パニック障害はうつ病になりやすい?パニック障害とうつ病の関係について。
パニック障害からうつ状態へと移行していく人の割合は多い、といわれています。
身体の具合や調子が悪いときには、誰だって外出はできないし、外出したくもありません。
スポンサーリンク
家でじっとしておきたい、と思いますよね。
パニック障害も同じことで、治療を何もしていないと慢性化し、引きこもりがちになり、気分がひどく落ち込んでしまいます。
パニック障害が重症になると、うつ病になるの?
パニック障害による広場恐怖や回避行動がみられるようになると、日常生活の中で「できないこと」がどんどん多くなっていきます。
パニック障害の人は、何もできない自分のことを情けなく感じたりもしますが、パニック発作がまた起きるのでは、と思うと外出することが恐ろしく感じ、家にひきこもってしまいがちです。
こういった精神的に不安な生活が長く続き、広場恐怖が重症になり長引いてくると、イライラや疲労感、不眠状態といった、原因がはっきりしない身体の不調「不定愁訴」もおこりやすくなります。
そして、徐々に精神的エネルギーが低下し、何事に対してもやる気がなくなり、「何もやりたくない」状態へと陥ってしまいます。
「なにもできない」から「なにもやりたくない」になってしまう、うつ状態です。
このうつ状態は、厳密にはうつ病とは少し違います。
ただし、人によってはパニック障害とうつ病を併発することもあります。
うつ状態を併発したパニック障害は、治療が長期間かかることが多く、できるだけ早く発見し、適切な治療を受けることが大切です。
「うつ状態」と「うつ病」の違いについて
うつ状態とうつ病の違いについて、もう少し詳しくみてみましょう。
スポンサーリンク
うつ状態とは?
強さ:弱い
妄想:現実からずれない
自殺:比較的まれ
状況からの影響:よいことがあると少し気が晴れる
きっかけ:気落ちするようなできごと
周囲からみて:理解できることが多い
仕事・趣味:やっていると気がまぎれる
うつ病とは?
強さ:強い
妄想:妄想的になることがある
自殺:自殺することがある
状況からの影響:よいことがあっても気が晴れない
きっかけ:環境や対人関係の変化が主
周囲からみて:理解できないことが多い
仕事・趣味:まったく手につかない
うつ状態の治療は早い方がいい
うつ状態の治療はなるべく早い時期にスタートすることで、早期回復が期待できます。
逆に、治療をせずに放置しつづけると、回復に長い時間がかかってしまうことにもなります。
「あれ?なんかおかしいな・・・」と感じたら、早めに心療内科や精神科に相談してみてください。
うつ状態の悪化、治療の進み方について
①なんとなく身体がだるい、おっくう、好きなことをしても楽しくない、ゆううつな気分が続く。動作が緩慢になり、周りの人も異変に気づきだす。
②うつ気分は一日の中でも良くなったり悪くなったり、しかも日によって変化する。食欲、性欲が低下し、仕事や勉強に集中できなくなる。
③自分の存在を無価値なものと考え、自殺したい気持ちが起こることもある。不眠や食欲不振が強く、からだを動かす意欲もなくなる。まわりに自殺をほのめかすこともある。周囲は本当に自殺をしないように注意をすること。
【治療の効果があらわれると・・・】
④うつ気分は続くが、少しずつ食欲が出てきて、眠れるようになる。気持ちが楽になる時間も増え、回復の兆しがみられる。表情が少し明るくなってくる。
⑤周囲の人からは「元気になったね」と言われるほど、以前の生活が戻り、表情もいきいきしてくる。ここであせらず、ゆっくりと静養することが、うつ状態の再発防止になる。
【そして、回復へ】
◆この記事は、精神科医、赤坂診療所所長、渡辺登先生執筆・監修の「パニック障害(講談社)」の内容を元に、当サイト編集事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
スポンサーリンク