5 奥山に〜 |歌の意味・解説・翻訳【百人一首】
5 奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき 【猿丸大夫】
読み方(おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき)
出展「古今和歌集」
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意味「5 奥山に〜」
人里離れた奥山で、散り重なっている紅葉を踏み分け、恋人を求めて鳴く鹿の声が聞こえる。その鹿の声を聞くときこそ、秋はもの悲しい、としみじみ感じるなぁ。
作者:猿丸大夫とは?
猿丸大夫は、三十六歌仙のひとり。奈良時代か平安時代の歌人という説もありますが、本当にこの名前の歌人が存在したかどうかも不明な、伝説的な歌人です。
三十六歌仙の中でも、猿丸大夫だけが実在していたかどうかはっきりしない人物といわれています。「大夫」は「たいふ」と呼んだり「だゆう」と読むこともあります。
解説「5 奥山に〜」
この歌は、紅葉を踏み分けているのは鹿であるという説と、作者自身であるという説があります。
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動物が鳴く際にも、様々な理由があり、恋人を恋しがって鳴くこともあります。
どちらであっても、昔の人たちにとって、秋に聞こえる「鹿の声」は、メスを求めるオスの鹿の寂しさを感じさせるもので、この歌は秋のもの哀しさを感じさせますね。
百人一首には、恋人と一緒にいられなくて寂しい、という意味の歌がとても多いです。
特に、夏の季節から秋へと変わっていく頃は、肌寒い風が吹くとなんとなく寂しい気持ちになる、というように、自然の変化と心の変化を重ねて日本人の特徴的な情緒を歌で表現しています。
「お」から始まる歌は七首ある
百人一首の歌の中で「お」から始まる歌は全部で7首あります。その中でも、二字目で決まる「二字決まり」の歌は4首あります。
5 おくやまに ー こゑきくときぞ
26 をぐらやま ー いまひとたびの
72 おとにきく ー かけじやそでの
82 おもひわび ー うきにたへぬは
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